補聴器貸出(レンタル)時の注意点について

今回は補聴器貸出(レンタル)時の注意点についてお話しします。

「補聴器のお試し」(貸出・レンタル)は高額な補聴器を購入する前にリスクを抑える事ができる有効な手段です。

一見、良いこと尽くしのように思われるこの「補聴器のお試し」ですが、注意していただきたいこともあります。

以下、注意すべき点について箇条書きでお届けします。

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  • 貸出時には「購入後の完璧なイメージ再現」を求めない。

その理由の一つは、まずは耳栓。耳の中にいれる部分はお客様の耳に合ったオーダー品ではありません。既製品の中で一番適している耳栓を耳穴にいれて試聴いただきます。「耳栓を抑えつけるとよく聞こえるのだが・・・」という感想をいただくことがありますが、その通りで鼓膜の面に向かって音を正確に届けることが求められます。

  • 自分の声を過度に気にしない

「自分の声が大きく聞こえる・・・」補聴器初心者の方にとって必ずといっていいほど通り道は自分の声の響きです。補聴器が入っていない解放状態の耳の状態で聞く自分の声のと、補聴器という「異物」を耳穴にいれて自分の声を聞くのでは、差が生じるのは当たり前です。補聴器を使用するということはいつもと違うことに新しくチャレンジする訳ですので、貸出時に過度に気にしすぎるのではなく、先ずは体験してみてください。先ずは体験・・・というのも自分の声の響きを軽減する方法は幾通りかござます。もしくは響きにくい補聴器を選ぶという選択肢もあります。また、時間の経過ともに気にならなくなる効果もあります。ですので、補聴器のお試し時にはこれが原因で補聴器を嫌になって外すということがないよう、「あらかじめの想定内」としてこのことを知っておいていただきたいと思います。

  • 小さい声の聞き取りや全てのテレビ番組を聞き取ろうとはしないでください

補聴器お試し時の音量設定は、あくまでも70%程度の必要音量しかお耳に入れておりません。この状態ですべてを聞き取ろうとするところに無理があります。結果を急ぐ方に、最初から90%近くの音量をいれて貸出しさせていただいたこともあります。結果はどうなったか?・・・・「この状態ではとても着けてられない」といって補聴器を見合わせられました。体の衰えや聞こえの低下は自然現象。自然現象に対して急激な回復を試みると、耳も頭も入ってくる音に戸惑い、直ぐに疲れてしまします。聞こえる喜びも大事ですが、普段、補聴器をしていない状態とのギャップを最初から作り過ぎると上記のように、とても使えないとなってしまいます。例外的に年齢がお若い方ですと、周囲の音に対する順応性もあり、最初はやかましく感じていても2週間も経過すると「もう慣れた」となる事も多いです。この意味では早期の補聴器使用は、耳と頭の順応性という面でもメリットがあります。※注意 たとえ、音量面での設定が90%以上設定できたとしても、早口や効果音、複数の中の会話など難聴者にとってどうしても聞き取りにくい環境も存在します。(ドラマや漫才、バラエティなどの番組は補聴器を適正に合わせていても聞こえない、聞き損じるということもあります。)

  • <再考>補聴器の本来の目的と意味は???

補聴器とは、あくまでもご自身の「最大限の聞き取り力」を引き出す為のツール。つまり、その方が持っている言葉を聞き取る能力以上にはなりません。※補聴器には限界はあります。ご本人の限界がどこにあるかを、補聴器販売店担当者に具体的に確認し、その後で補聴器を購入するようにしてください。

  • 購入後に改善出来ること、できない事を確認する

7日程度の貸出(お試し)を経験した上での問題点、例えば前述の自分の声の響きは軽減できるか?周囲のノイズ(生活音)は抑制できるか?小さい声を今よりも大きくできるか?電話の声は今よりも聞き取れるようになるか?テレビはこれ以上聞き取る事は無理か?補聴器の貸出は、カタログだけではわからい点を実体験をもとに新情報としてご自身の中にインストールすることが主目的。いわば、貸出後にはじめて補聴器販売店に質問できるようになる、といっても過言ではありません。

  • まとめ
  1. 貸出時に完璧を求めない
  2. 自分の声は変わって当然。過度に気にしない(軽減できる方法はある)
  3. 小さい声やテレビの聞き取りについて、初期段階ではすべてを求めない
  4. 補聴器はあくまでも「補うもの」
  5. 期待していることは補聴器購入後に解決できる問題か否かを予め確認する。

本日は補聴器貸出時の注意点と題してお届けしました。

おまけ

先日も貸出前のご相談段階から、聞こえを完璧に、自分の声の響きをなしにしてほしい、とご要望されたお客様がありました。今回の話をお読みくださった方ならお分かりかと思いますが、試聴段階ですべてを叶える補聴器は存在しません。少なからず違和感のある中からスタートします。家族から補聴器をすすめられるユーザー様に限って、「補聴器をつけたくない理由」を上記の中から見つけ出す方があります。その場合、補聴器販売店の人間も経験則より「無理に補聴器をお勧めすることはありません。」ご自身が納得されていない段階で、購入後も続くアフターフォローを継続することができないからです。私からの提言としては、人工的な機械(補聴器)をつかってあたらしい習慣をスタートするわけですの、「今までとは違う」と思ってスタートされる方程、補聴器を上手に使いこなされています。予め必要な事を知って、新しく補聴器ライフをスタートしませんか?今回の内容をご参考にいただける幸いです。microPower