今回は急に補聴器から音が出なくなった事例について取り上げます。

8月は年間を通じて補聴器の故障が最も増える時期。この時期特有の故障、主な原因はズバリ・・・『汗』です。

耳穴型補聴器の場合は、耳の中で汗をかく事がないため影響を受けにくいのですが、工事現場など炎天下でお仕事をなさっている方にとりましては、この限りではありません。汗が滴り落ちて、ついにはマイク部分まで汗が侵食することがあります。日中ほとんど室内におられる方については、耳穴型、耳かけ型補聴器共に汗の影響は受けにくいと言い切れますが。

数年前の補聴器業界では考えられなかった位、汗対策が施されている補聴器も増加中。ナノコーティングによる撥水処理、防水仕様の補聴器等の登場が一番の貢献ですね。

汗以外の故障原因を取り上げますと、補聴器先端部分への『耳垢(みみあか)詰まり』

補聴器経験が長い方の場合、自身で補聴器の清掃もマスターされているためこの影響は少ないのですが初心者にとりましては掃除そのものもまだまだ徹底できておられない方もあります。『補聴器が急に聞こえなくなった』とご連絡いただき、補聴器の自宅出張訪問サービスでお伺いすると半数近くは耳垢が原因ということもあります。

dsc_0868.jpg

耳の中をお掃除していただいていても耳垢が取り切れていない(奥にあるため)場合、補聴器を出し入れをするうちに耳垢が蓄積していく場合、湿り気のある耳垢の場合、補聴器本体の中に気づかないうちに耳垢が入り込む場合もあります。『写真にある白いもの』(耳垢ガード)を交換すると正常に音が出る場合には、正常に耳垢ガードが機能しているということになりますね。(お客様の中には、交換すること自体が面倒で『なんでこうなるの?』となる方もありますが、これは補聴器使用者の通常の範囲内とご理解いただけたらと思います。

補聴器経験の長い方、お若い方にはご自身で『耳垢ガードを交換していただく』場合もござます。(お店へ来店、自宅訪問サービスをお呼びになるとなると時間的なタイムラグがありますので。)

補聴器は聞こえを補ってくれるメリットと共に、普段のお手入れが必要なること(お客様によりましては、面倒となりデメリットに感じる方もあり)も購入前にご理解いただきたいたいポイントとなります。

今回は補聴器が急に聞こえなくなった事例、故障ではありませんについてお話ししました。

<補聴器を良い状態にするため、乾燥させるツールご紹介>