Q:業界認定資格の「補聴器認定技能者」とは?

A:公益財団法人テクノエイド協会が認定する補聴器の専門資格です。

補聴器の専門資格
公益財団法人テクノエイド協会認定の「認定補聴器技能者」

少なくとも実務経験1年以上なければ、指定講習会にも参加できません。指定講習会のプログラムが4年とあわせて

少なくとも5年以上の実務経験があれば取得できる資格。一定の水準以上のレベルにあることを保証します。

ただ注意も必要です。(技能者だからといって、100%信用することは危険です。)

その理由は、業界的に明らかに人材が不足している状況の中での資格者育成の必要性が あるからです。資格受験する側から見た場合、まだまだ売り手市場の現状。

補聴器業界の実際の現場では?

現在、国内では補聴器を扱う販売店の数が7000店舗とも言われていますが、それに対して、前述の認定補聴器技能者の数は、約3000名(2014年2月現在)。※技能者がお店にいるのは、その内20%程度と言われています。(一部の量販店に複数の技能者が在籍しているので、実質店舗にはカバーできていないのが現状)

加えて、受験システムの限界と申しましょうか、『実技科目』については、時間的制約、安全面確保の観点から、担当者一人一人の資質を審査するには限界があります。

実技耳型とは?・・・耳型採取、聴力測定、特性機(出力を確認する機材)操作、フィッティング(調整)

オーダーメイドの耳あな式補聴器を作製したり、専用の耳栓を作る場合に耳型採取は必須です。

オーダーメイドの補聴器には必須
一例:耳の型を採取する作業です。

メーカー営業マン時代にも、「この人が本当に資格を取得して良いのだろうか?」 と感じる方が、資格者になっていく現場をみてきました。

実際の補聴器販売の現場でヤルベキコトを実施していない担当者、 新しい情報を仕入れることに、億劫に感じる担当者なども存在。

※ 自信のない方ほど、「認定技能者」の資格を振り回す傾向があります。 

補聴器の専門店を名乗る以上、資格があるのは当然のこと。

それ以上に、実際の現場でどこまで 客観的な補聴器の効果測定を実施しているか否か?が重要であると考えます。

仮に資格取得前の段階では、まだまだ未熟であったとしても、資格取得後に継続的な学習と実践でレベルアップは可能です。

資格取得と同時に、世の中に対して、 新たな責任感と適正な補聴器を広めて行くという当たり前且つ重要なミッションを持つことになるのです。

※補聴器の評判は、技能者自らの知識と技術にかかっていると いっても過言ではありません。

さらなる向上心がある技能者は、資格に留まらず、日本補聴器技能者協会、補聴器の先進国であるアメリカを中心とした国際的団体であるIHSなどに加盟されています。

最後に、『いわずもがな』ですが、技能者といえど、補聴器のことだけを語るだけでなく、対応するお客様の生活環境や現在の状況を細かいところまで 知り尽くそうとするスタンスも最低限求められる資質です。

今回は業界認定資格である「認定補聴器技能者」についてお話しました。

注目の補聴器アドバイザーが回答します。