結論から申し上げますと、
下記の5つのポイントに絞った補聴器選定、調整を行い、最小時間で最大の効果のお聞こえを提供できる点です。
- 聞き取りの正確な把握
- 目標設定と理解
- 音響的事前準備
- 個体差の把握
- 正確な効果測定
当店に来店される方のお声で最も多かったのは「この動画がきっかけ」というものでした。
お聞こえづらい方もわかるように字幕を付けています。
2023年3月現在、補聴器業界の現実は以下の調査結果の通りです。。。
補聴器使用ユーザーの全体満足度は50%
認定補聴器技能者が調整を行った補聴器の満足度は64%
出典元:
一般社団法人日本補聴器工業会発表「ジャパントラック2022」より
http://www.hochouki.com/about/report/
The補聴器専門店が目指すのは、補聴器満足度を先進国である欧米並みの80%以上に引き上げること!!
欧米並の満足度に近づけるには、主に2つの前提が重要であると当方は考えます。
両耳装用率を欧米並みの80%以上にすることと、
欧米では当たり前であるの測定法である【実耳測定】を行った上での補聴器調整を行うこと
補聴器が聞こえない、役に立たないと感じる原因は下記のいずれかの欠落!!
重要な内容なので、もう一度繰り返します!!
補聴器効果を左右する5つのポイント
1 聞き取りの正確な把握 (音と言葉の聞き取り力確認)
耳鼻科で測定した聴力テストの結果だけでなく、ご自身の言葉の聞き取り力を正確に判断する必要があります。
2 目標設定とその理解
上記で測定した「ご自身の言葉の聞き取り力」が補聴器の効果を出す上での限界点となります。
補聴器を通じて達成したい目標と、言葉の聞き取り力との乖離が大きい場合には、残念ながら目標を諦めないといけない可能性もあります。しかしながら、往々にしてみられるのは、ご自身の聞き取り力を十分に発揮できる状態にない補聴器(=効果が出ていない補聴器)を、これまでも数多く見てまいりました。
そう、諦めるのはまだ早いのです!!
3 音響的準備
補聴器を合わせる上で大前提となるのは、「ご自身の耳の形に耳栓が合っているか?」です。
メガネ店や一部の販売店では、耳の形状に合わせた耳栓(オーダーメイド)を作製せず、既成の耳栓をあてがっての装用を勧めているケースがあります。「楽でしょう」「自然でしょう」といった初期段階での「受けが良い言葉」で補聴器を販売するのがほとんどですが、「楽」だから「聞こえている」とはならないのがほとんどです。
当店では、お客様専用の耳栓作製をご提案し、補聴器を装用する大前提の「ご自身の耳に合っている」を実現します。専用の耳栓がないと、いつまでも大雑把な調整に終始し、問題を解決することは永遠に難しいです。
4 個体差の把握
個体差の把握とは、ズバリ「耳の形状」差異による音の伝わり方の「差」にほかなりません
補聴器専門店とメガネ店、兼業店との違いを一言でいいますと、
「パソコン画面を全く信用していない」
これに尽きます。聴力データさえあれば、パソコン調整を通じて、数字上は聴力に応じた音を作ることが可能です。
※注意:補聴器経験があまりないスタッフの場合、やたらと最新の聴力を測りたがり、そのデータを再度入力するといった流れで、いかにも合わせてもらった錯覚に陥ります。
ここで欠落している点は、パソコンの自動調整の前提となるのは、わずか1種類のカプラ(一般的な耳の容積を模したもの)を基にしているということ。
つまり、耳の細い方、耳が大きい方、外耳道の曲がりが大きい方などの例外は反映されていないのです。
欧米では個人差がある事を大前提として、必ず実耳測定を行います。
一方、日本では、残念ながら、2023年現在、ごくごく一部の専門店を除いて実耳測定を行っているお店は存在していません。。。
5 正確な装用効果テスト
ここまでのまとめ的にはなりますが。
自分の耳に合った耳栓を装着し、パソコンの自動計算の元になっているカプラと、ご自身の耳との差異を正確に数値化した上で、ここで初めて補聴器専門店では一般常識とされている「補聴器装用効果テスト」を行います。
「正確な効果テスト」と書いているのは、実耳測定を行っていない段階で効果測定を行っても、補聴器から過剰な出力で耳に届いてしまうリスクがあります。
当店は、必要最小限の出力で聞こえる補聴器を実現していきたいと考えています
同じことは他店でもできないのか?
結論から申し上げると、3つの点で難しいと思います。
当方で取り組む調整方法を同じように行うためには、1.時間的コスト、2.測定機器の金額的コスト、3.経験値に基づく技術力が必須となります。