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今回は「補聴器調整方法」についてお話をさせて頂きます。

メガネ同様、補聴器の効果の測定についても所定の測定方法が存在します。

残念ながら、補聴器販売店の中にはこの測定方法すらご存じない販売店もあり、メーカー営業マン時代には補聴器を着けた状態でヘッドホン式の聴力測定を行っておられた方もあるくらいでした。

この補聴器効果測定ですが、全てのユーザー様に対して「同じゴール」を設定すべきものではない、と当方は考えています。

90歳を越えるお客様と、50、60歳のお客様では、生活音に対する許容範囲、周囲の音に対する順応性が異なります。

最低限、クリアーしないといけない条件はありますが、全ての方がここまで音を上げないといけない、なる規則性はないと個人的に考えます。

以前、インターネットで色々と下調べされたご家族様がありました。当店が、2ヶ月かけながらジックリ音量設定を変更してゆきます、と申し上げたところ

「【最初から必要な全部の音を上げるべき】というサイトをみた。貴方は何故そうしないのか?」といったご質問をいただきました。

理由を説明させていただきましたが、権威ある方の持論に傾聴されているようで、話もそこそこに、「私は理解出来ない。最初から全部の音をいれてください」とのお言葉が。

「ご本人様が疲れて補聴器を外されるかもしれません」とお断りした上でご希望の調整を行いました。

どうなったか?

一週間もしないうちに、高齢者施設の担当の方からお電話が入り、「食堂で皆とテレビをみても音楽が大きすぎる」「頭が疲れる」と補聴器を外された、とのお話でした。

翌日、元の調整に戻したところ、「これなら大丈夫。聞こえるし」とご本人様。

この事例のように、これまでの補聴器経験(前述のお客様は初心者)やご年齢、周囲の音に対する許容範囲、順応性をみた上で補聴器調整を進めてゆく必要性がございます。

補聴器の効果は、主観的(お客様自身の感想)客観的(数値上での補聴器効果)、周囲の評価(ご家族やご友人)など複数のフィルターで確認する必要性があります。

補聴器を使用するご本人が補聴器を外されたら、全てがそこでストップしてしまいます。補聴器に携わる人間として、これだけは是が非でも避けなければならない点であると思っています。

今回は補聴器調整方法についてお話しました。