なぜ、10万円以上もする高額な補聴器が上手く使いこなせないのか?
自分自身に合った補聴器に出会えていないユーザー様ご本人、
身内で補聴器を使用している方がいるご家族様など、この疑問を持った方も多いのではないでしょうか?
●今回はズバリ、回答から入りたいと思います。
補聴器を上手く使いこなすためには…
⇒補聴器を使いこなすには、まず慣れることが大切です。
「慣れ?そんな必要あるのか?」そう思いの方もあるのではないでしょうか?
初めて補聴器をした時は、
「よく聞こえる」と同時に、
「いろんな音が急に聞こえるようになってうるさく感じる」方も
多くいらっしゃいます。
メガネは買ったその日からよく見えますが、補聴器はそうはいかないことも多いのです。
補聴器の付け外し・操作の他に、
音そのものへの慣れが重要になってきます。
ここでは補聴器の慣れ方について
ご紹介したいと思います。
段階的に少しづつ慣れる?最初に頑張って早く慣れる?
少しずつ慣れる方法
補聴器に慣れるには、
段階的に使う時間や場面を増やしていく方法があります。
聴力が低下すると、
今まで聞いていた様々な音(人の声だけでなく、生活を取り巻く音)が耳に入らなくなるので、
徐々に音の存在する世界を忘れていってしまいます。
補聴器を装用してよく聞こえるようになると、今まで聞き逃していた様々な音が急にたくさん入ってきて、
とても大きく感じたり、疲れたりすることがあります。
疲れが続くと補聴器を装用する意欲も低下してしまうので、それを避けるために、
一日30分からでもいいので無理なく毎日使うことを目標とします。
慣れてきたら一日の装用時間を徐々に増やしていきましょう。
また、使う場面も装用当初は限定します。
まずは家の中、静かな場所で使用します。
日常の生活場面でどんな音がしているか再確認していきます。
人と会話する時も、周りをなるべく静かにして、顔が見えるように一対一で向かい合ってゆっくり話してもらいましょう。
テレビは補聴器を装用することでボリュームが下がりますが、番組によって聴きやすいものとそうでないものがあります。まずはアナウンサーの声がよく聞こえるニュース番組で慣らしていきましょう。
自宅内での補聴器装用に慣れたら、外出先でも聴く場面を増やしていきましょう。
最終的には、朝起きた時から、お風呂に入るまで、一日中装用するのが望ましいです。
早くなれる事例とは…
また、最初から補聴器を一日中使用する方法もあります。
これは一部医療機関でも行われている方法で、購入当初から毎日終日装用します。
本来の慣れのプロセスをショートカットするので、かなり大変ではありますが、装用3〜4日でかなり慣れるとの報告もあります。
スムーズに補聴器で効果を出すための効果的な秘策とは…
周囲の音が気になったり聞き取りたい声が上手く聞き取れない、そういった方の最初の一歩として、
⇒先ず言葉を聞き取るために音読をしてみてはいかがでしょうか?
補聴器を装用すると「音は良く聞こえるが、言葉がはっきりしない」と訴える方がいます。これは慣れの問題も関係している場合があります。
補聴器に慣れると、音や言葉の聞き分けにおいて、
その人の持つ能力の範囲で改善が見られることが多いのですが、
ここで音読を取り入れると、早く慣れることが期待できます。
簡単にできる具体的な音読方法とは…
新聞のコラムなど
負担にならない量の記事をしっかり音読するだけです。
音読がもたらす3つの効果とは?
- 補聴器を通した自分の声に慣れる
- 自分が意図して発声した音声(「あ」など)が補聴器を通して聞いた時にこんな音になる、ということが自分自身に再認識される
- 音声と文字(視覚情報)が結びつき、脳に定着しやすい という効果があります。
せっかく購入した補聴器に慣れず、装用を断念してしまうのはとても残念なことです。
ここで紹介した方法で補聴器に慣れて、聞こえる楽しい生活をいち早く取り戻していただくことが、我々の願いでもあります。
補聴器が早く身体の一部になるように、慣れていきましょう!
●補聴器の使い方・慣れ方まとめ
- 段階的に少しづつ慣れる方法、最初に頑張って早く慣れる方法がある
- 補聴器に慣れると、音や言葉の聞き分けにおいて、その人の持つ能力の範囲で改善が見られることが多い
⇒具体的方法は新聞のコラムなど負担にならない量の記事をしっかり音読する
音読効果で
- 補聴器を通した自分の声に慣れる、
- 自分が意図して発声した音声自分自身に再認識される
- 音声と文字(視覚情報)が結びつき、脳に定着しやすい
今回は補聴器は購入した後が肝心!慣れ方のススメ~なぜ10万円以上もする高額な補聴器が上手く使いこなせないのか?~と題してお届けしました。