補聴器と助成金
補聴器購入の際、「何かしらの助成金は受けられるの?」とご質問を頂くことがあります。
ズバリ、回答から申し上げますと主に3つの助成制度があります。
ただし、条件付きですが。(=すべての方が対象になるわけではありません)
今回は、どのような制度や条件があるのか?について大阪市の例などを踏まえながらまとめて行きたいと思います。
1、身体障害者手帳(聴覚障害)もしくは指定難病の方に対する補装具支給制度
2、労災による補償
3、軽中等度難聴児に対する助成
身体障害者手帳(聴覚障害)所持者もしくは※指定難病 の方に対する補装具支給制度
難聴の程度によっては身体障害者手帳(聴覚障害)を取得し、補装具(補聴器)の支給を受ける ことができます。
しかし条件としては、両耳の聴力が70dB以上もしくは、片耳が90dBでもう一 方の耳が50dB以上が対象となります。
他には言葉の聞き取り(語音明瞭度)が両耳で50%以下 の場合も対象になります。
専用の診断書を書くことができる医師(身体障害者福祉法第15条指定 医師など)の元で聴力検査などを複数回受けて、書類の手続きに入ります。
各自治体のサイトにも同じような案内がありますので 参考にしてください。
以下は大阪市のホームページのリンクです。
●身体障がい者手帳
http://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000007734.html
●補装具の購入・修理にかかる費用の支給
http://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000370481.html
※平成25年4月に施行された障害者総合支援法により、身体障害者手帳を持たない難病の難聴者 にも対象が広がりました。
●厚生労働省 障害者総合支援法の対象となる難病等の範囲について http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/hani/ dl/index-01.pdf
【参考】 両耳とも70dBの聴力とはどんな状態なのか?
厚生労働省の身体障害者障害程度等級表(身体障害者福祉法施行規則別表第5号)には
「40cm以上の距離で発声された会話語を理解し得ないもの」とあります。
これは日常生活で大きく支障をきたすレベルですので、客観的にも自覚的にもきこえにかなりの不便を感じている状態です。突発性難聴や特異的な疾患によるものでなければ、何年も難聴の状 態がつづいて徐々に聴力が低下していったケースが多いのではないでしょうか。
労災による補償
労働災害によって聴覚障害を有した人への助成制度で、労働者災害補償保険法によって定められ ています。
詳しくはこちらをご覧ください。
●厚生労働省 義肢等補装具費支給制度
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-10.pdf
軽・中等度難聴児に対する助成
近年、各自治体によって軽・中等度の難聴児(18歳未満)に対する補聴器購入費の助成制度が設 けられています。
詳細は各自治体によって異なりますので、お住いの自治体のホームページなどを 参考にしてください。
●例)大阪市 大阪市難聴児補聴器の購入に要する経費を支給します
http://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000117931.html
【補足】補聴器は医療費控除の対象になるの?
補聴器は通常購入しても医療費控除の対象にはなりにくいですが、医師による「治療のために必 要である」
という診断書があれば対象になることがあるようです。
詳しくは税理士、もしくはお 住いの税務署にお尋ねください。
●国税庁 タックスアンサー No.1122 医療費控除の対象となる医療費
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1122.htm
以上、補聴器購入に際して受けられる助成についてまとめました。
対象になる方は各自治体にお 問い合わせの上、適切なサービスを受けられるようにしてくださいね。