今回は「手先がご不自由な90歳お一人暮らし」「初めての補聴器選び」についてお話します。
ケアマネージャーさんからご紹介いただき、補聴器を検討されているお客様宅に訪問してきました。
左右共に高度難聴のかかり位の聞こえにくさ。ケアマネージャーさんと約束の時間に訪ねるも、玄関のカギはかかったまま。
電話するも、「誰ですか?」の一点張りで聞こえておられないご様子。挙げ句には電話が切れてしまいました。
馴れたケアマネさんは、庭の方向から回りこんでっ窓をトントン叩いて合図。ようやく気付いていただき、ご対面となりました。
弁別と呼ばれる言葉の聞きとり力が左右共に「40%以下」の状態。つまり、補聴器を使用されても効果は、限定的。「音は聞こえるが話の中身が分からない」というお聞こえの状態でした。
本来は両耳に補聴器を使用していただき、正面中心に、近くの話し手からの会話に集中出きるようにするのが最善策なのですが、片方の腕が上がらず、手先も不自由であられる為、聞き手である側の方に補聴器をお試し頂きました。(出し入れ出来ず、使えない補聴器になっては無意味)
ご試聴の感想は「多少キンキンする」「離れるとハッキリとは聞こえない」とのお声。弁別(言葉の聞きとり力)を考えると、補聴器の限界、やむを得ない点でもあります。
また、補聴器は決して購入して終わりではありません。電池の交換、毎日の脱着、乾燥ケースへの保管、耳垢詰り予防の為の補聴器掃除など。
予め、ケアマネさんにサポートしてくださる方々の存在を聞いていましたので、心配は少なくなりましたが、ある程度ご本人様にも使いこなす努力が必要です。困った時に必ずしもサポート方がいるとは限らないため。
結果、こちらのお客様には周囲の方々と再度相談し、ご検討いただく事になりました。
私がいつもお客様及びこ家族様にご案内しているのは、
「言葉の聞きとり力が低下する前に」「補聴器効果がでるうちに」「自身での補聴器操作に慣れる早めの段階で」です。
特にお一人暮らしの場合には、危険を察知する生活音の必要性もありますので尚更、です。
今回は手先がご不自由なお一人暮らしの90歳の方の事例をお届けしました