耳穴型補聴器&耳かけ型補聴器の効果を決める要素はいったい何?~ズバリ、耳型編~

先日、補聴器購入から1年未満のお客様から補聴器買い替えのご相談をご家族様から頂きました。

こちらのお客様のご相談内容から問題点を中心にお話ししてまいります。

耳穴型補聴器SP-235x300 (1)

●ご相談いただいたお客様、A様(ご本人様)の問題点

  1. 購入から1年未満にもかかわらず聴力レベルに合った補聴器ではなかった
  2. 耳の形に合わせて作成した専用オーダーメイド耳栓(=イヤモールド)が合っていなかった
  3. 遠方の息子様との電話を楽しみにされていたにもかかわらず、ピーピーとハウリングするだけで聞こえない
  4. 言葉を聞き取る力があるにもかかわらず、十分に力を発揮できていなかった
  5. 補聴器をつける意欲の低下

●こうして解決しました

  1. 気導と骨導とよばれる聴力検査を行った結果、聴力以上の利得(音量)&出力が必要であったことから、高度難聴~重度難聴用の補聴器を選定
  2. A様の耳=耳介とよばれる耳全体部が非常に柔らかい状況でした。A様使用中の耳栓はカナルタイプという中間的な大きさ。顔を動かしたり、下を見ると隙間ができて音漏れが生じていました。今回、口を大きく開けた状態で耳型を採取。耳道と呼ばれる耳の中に入る部分を長めに採取し、形状はセミカナル=ハーフサイズと呼ばれる横に大きくする形状に変更し、安定化を実現しました。
  3. 耳栓(=イヤモールド)を変更したことでハウリング問題を解決。電話が聞き取りやすいよう、中音部分を中心に増幅(ボリュームアップ)
  4. 必要利得=必要な音量まで新補聴器で上げることができ、ご満足いく状態に。
  5. 聞こえてくると、自然と補聴器を耳に着けられるようになり、表情に明るさが。

●まとめ

  • 1年未満での補聴器買い替えをご提案することは正直、忍びないことでしたが、現状のままで置いておいても、諸問題は残るだけ。見た目の聴力だけでなく、難聴の原因含め、補聴器相談の段階では色々とお話しする必要性があります。(残念ですが、購入された販売店では気導聴力検査のみの測定であったようです。)やわらかい耳の場合、補聴器本体、耳栓部分が動きやすいため、きつめに、やや大きめに作成することがポイントとなります。
  • 必要な音量+@で補聴器選定することは必須です。A様の状況(気導と骨導との差や、今後の聴力変化および音慣れを加味して)一段階上の出力を要する補聴器に決定しました。※この辺りは認定補聴器技能者在籍店であれば当然のことです。補聴器販売店選びの際もこうした事例を思いだしていただだけたらと思います。

今回は、耳穴型補聴器&耳かけ型補聴器の効果を決める要素はいったい何?~ズバリ、耳型編~と題してお届けしました。

●おまけ