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補聴器適齢期っていつなの?
「補聴器をするのはまだ(年齢的に)早いんじゃ?・・・」
「周りの人で補聴器をしている人がいないので、ピンと来ない」
「お友達の多くが補聴器をしている、私もするべき?」
「補聴器をしても、もう歳をとりすぎて、意味ないんじゃない?・・・」
補聴器についての相談をお受けしていると良く聞かれるのが、これらのフレーズ。
なぜでしょう?
それは、、、ズバリ「補聴器を装用するのは、どんなタイミングであるべきか」これまで一度も考えたこともないからです。
いざ、現実問題として補聴器が頭をよぎった時、ようやく補聴器ってどんなものかな?と考え始めます。この流れ、当然ですよね。
更に言えるのは、聴力の状態や補聴器を装用することの必要性について、ご自身の現状を客観的に把握されていない場合に出やすい疑問でもあります。
もちろん、耳鼻科医を受診してご自身の聴力を把握したり、補聴器販売店で補聴器についての話を聞くことによって、これらの疑問は解決へ向かうでしょう。
でも、正直、本音でいうと…
「面倒だな…」
「一般的にはどうなの?」
「同年代の人はどういうふうに考えてるの?」
という方も多いのではないでしょうか?
今回は日本の補聴器市場を対象にした「Japan Trak 2015」という統計データを元に、「補聴器適齢期」について考えていきます。
日本の難聴者割合、高齢者が6割!?
日本の難聴者(自己申告)は11.3%です。その中で、65−74歳が18%、75歳以上が41%を占めます。つまり、日本の難聴者の中で、いわゆる高齢者の占める割合は約6割となります。
高齢になるほど、難聴のお悩みがある方が増えるのはデータが示している通りですね。
補聴器が必要と感じたのは70歳前後!
補聴器を所有している方が、補聴器を必要と感じたのは70歳(中央値)でした。歳の若い難聴の方も含むデータではありますが、「必要」と感じたのが、65−74歳と答えた方が25%、75歳以上の方も29%を占めました。
補聴器を使おうと考え始めた3つのきっかけは?
補聴器を使用するきっかけの上位3項目は、
1,聞こえが悪くなる
2,耳鼻科医師やかかりつけ医師からの推薦
3,価格
以下では、 ”補聴器を使用するきっかけの上位3項目” についてまとめてみます。
聞こえが悪くなる
まず、ご自身の「聞こえが悪い、聞こえに不自由している」という感覚=自覚があることが一番重要です。よく、本人の自覚がないのに、家族が無理に補聴器を使わせようとして失敗する事例がありますが、本人が自分の聞こえの困り感を自覚していなければ、補聴器の装用はかなり難しいものになります。
耳鼻科医師やかかりつけ医師からの推薦
そして、「耳鼻科医師やかかりつけ医師からの推薦」は客観的な視点に基づいて出されたものですので、非常に強いきっかけになると思います。本人や家族の視点というのは、時にバイアスがかかりやすく、自分たちに都合の良いものになることが多いので、難聴を放置するというリスクにもつながりかねません。
価格
最後に「価格」ですが、これは現実的な対応を取るために考える、最初の大きなステップになります。実際に、価格が気になるというのは、「それが欲しいと思っているが、自分の予算で買えるかどうか悩んでいる状態」予算の問題がなければ、すぐにでも欲しいと思っていることが多いので、自分の聞こえの状態をある程度、現実的に把握して出した答えだと言えます。
まとめ「補聴器適齢期」をどう考える?
今までお伝えしてきた内容から検討すると、補聴器適齢期は以下の4つの要因が重要と考えられます。
ある程度年齢を重ねれば、難聴になる確率は高まります。特に、70歳というのが一つの目安かもしれません。ただし、自分が聞こえで困っている自覚がなければ、補聴器の積極的使用は難しくなります。
自身の状態を客観的に把握し、補聴器が必要かどうかについては、耳鼻科医師などの専門家からきちんとしたアドバイスをもらうことも必要です。今の自分には補聴器は必要ない、と思っていても、補聴器の価格が気になるようになってきたのであれば、ご自身の深層心理では、きこえに困って補聴器を必要としている可能性があります。
この4つの要因すべてに当てはまる方は、「補聴器適齢期」を迎えているかもしれませんね。
hearing aid
統計データの詳細を知りたい方は、日本補聴器工業会のサイトへ
http://www.hochouki.com/files/JAPAN_Trak_2015_reportv3.pdf