両耳100万円の補聴器でも合わなかった実例と、その理由
―「高額=成功」ではない現場の話―
先に結論をお伝えします
これは珍しい話ではありません。
両耳で100万円を超える補聴器でも、合わないケースは確実に存在します。
原因は「性能不足」ではなく、前提条件がそろっていなかったことにあります。
この記事では、
当方がが実際に対応したケースをもとに、
なぜ高額でも失敗するのかを正直に書きます。
実際にあったケース
- 両耳オーダーメイド耳あな型
- 価格:100万円超
- 聴力:中等度〜高度
- 使用歴:購入から約半年

ご本人の訴えはこうでした。
「高いのにうるさい」
「言葉が割れて聞こえる」
「長時間つけると疲れる」
他店では
「これ以上の調整は難しい」
と言われていたそうです。
問題① 耳の形状と補聴器の形が合っていなかった
このケースで最初に確認したのは、
補聴器の性能ではなく 「耳の形状」 でした。
具体的には、次のような特徴がありました。
- ご使用中の補聴器の先端部が非常に短い形状
→ シェル(耳の中に入る部分)の先が短く、
音漏れが起きやすいためハウリングが出やすい - 耳の中での密閉が取りにくい補聴器の形状
→ 見た目は合っていても、
実際にはすき間が多く、音が逃げやすい状態
このような耳の形状で、
高出力・耳あな型・オーダーメイド補聴器を選ぶと、
- 音が割れる
- うるささが強調される
- ハウリング対策で出力を下げざるを得ない
といった 悪循環 が起きやすくなります。
性能が高い補聴器ほど、
耳の形状と合っていない場合は欠点が目立つのです。
問題② 試聴時の評価と、日常使用が別物だった
購入前の評価は「良好」でした。
しかし試聴は、
- 静かな室内
- 短時間
- 集中した状態
実生活では、
- 雑音の多い環境
- 長時間装用
- 疲労の蓄積
ここで初めて
「聞こえるけど使えない」が起こります。
試聴での好印象は、
成功の保証にはなりません。
問題③ 調整=音量調整だと思われていた
このケースでは、
調整=音を下げる・上げる
という理解が中心でした。
しかし実際には、
- 周波数ごとのバランス
- ハウリング対策
- 音質の違和感
- 装着状態
複数の要素を同時に整える必要があります。
「これ以上下げると聞こえない」
「音量を上げていくとハウリングが生じてしまい、ピーピー音漏れがうるさいだけで聞こえない」
この板挟み状態は、
作製段階で無理があるサインです。
本来は、耳の形状の無償再製作期間(ご購入から90日程度)に問題点を洗い出し、早急に対策を取るべきでした。
無償再製作期間を過ぎると、なんと片耳4万円近くの再製作費用が掛かってしまうのです!

問題④「高額だから何とかなる」という期待
ご本人もご家族も、
「これだけ高いんだから、合わないはずがない」
という気持ちが強く、
不調を言い出すのが遅れました。
結果として、
- 違和感を我慢
- 使用時間が減る
- 不満だけが残る
補聴器は
我慢して使う道具ではありません。
👉 「こうしたケースでは、販売を見送ることもあります」
→ ③ 補聴器の販売をお断りしたケース

当方の判断
正直にお伝えしました。
- この形状のままでは補聴器調整だけでの改善に限界がある
- 無理に使い続けると補聴器自体が嫌になる
- 方向性を変える必要がある
結果として、
この形状のまま、補聴器の継続使用はおすすめしませんでした。
当方のアドバイスは、
「購入した販売店に再度出向き、補聴器の形状を作り直してもらうように」と
当然ながら、発見が遅れた店の非もあるので金額については担当者に相談すべきとも。。。

なぜ「高額でも合わない」が起こるのか
理由は一つです。
補聴器は、
価格よりも“前提条件”が合っているかで決まる道具だから。
- 耳の形
- 聴力の特性
- 生活環境
- 調整にかけられる時間
- 本人の理解と納得
これがそろっていなければ、
高性能=ストレスになります。
最後に
この方が最後に言われた言葉があります。
「もっと早く、ちゃんと説明してほしかった」
当方では耳障り通い説明やアドバイスだけでなく
最初に厳しい話もします。(補聴器で改善可能な事、改善が難しい事についても)

もしここまで読んで、
- それでも向き合いたい
- 時間をかけて調整したい
そう思えた方だけ、
ご相談ください。
👉 「そもそも、なぜ最初に補聴器を販売しないのか」
→ ④ 有料相談の理由




