テレビの音が大きいと言われたら、それは難聴のサインかもしれない
テレビの音が大きいと言われることが増えた。それは難聴のサインかもしれません。
「またそんなに大きくして」と家族に言われたこと、ありませんか。自分ではごく普通の音量のつもりなのに、何度も注意される。腹が立つ気持ちもあるけれど、どこかで少し気になっている。そんな方がこの記事を読んでくださっているのではないかと思います。
私は大阪市天王寺区で補聴器専門店を営んでいる認定補聴器技能者の中村です。毎月、「テレビの音量がきっかけで…」という方が複数来店されます。ここでは、日々現場で感じていることを、正直にお伝えしていきます。
こんなことはありませんか?
テレビの音量問題は、難聴の初期サインとして非常に多く見られます。次のような経験がある方は、一度聴力を確認することをおすすめします。
- テレビの音量が以前より上がっている
- 家族に「うるさい」と言われる
- セリフがはっきり聞き取れない
- 女性や子どもの声が聞きづらい
- 聞き返す回数が増えた
一つでも当てはまるようであれば、この先を読んでみてください。
「まさか自分が難聴だとは思っていなかった」

来店される方に、ほぼ共通していることがあります。「自分が難聴だとは思っていなかった」という驚きです。
家族に何度も指摘されて、半信半疑のまま重い腰を上げてきた、という方がほとんどです。「妻にうるさいと言われ続けて、確かめに来た」とおっしゃる方も珍しくありません。
実際に聴力を確認すると、思っていたより軽い難聴(=高音の一部が低下しているパターンが多い)だったというケースも多いのです。裏を返せば、テレビの音量というのは、深刻になる前に難聴を教えてくれる、かなり早い段階のサインだということです。
なぜ、本人は気づかないのか
加齢による難聴は、多くの場合、高音域からじわじわと始まります。テレビのセリフや女性・子どもの声に含まれる高い音が少しずつ聞き取りにくくなっていきますが、本人は日々慣れていくため自覚がありません。音量は毎日少しずつ上がっていくので、ある日突然「大きすぎる」と気づくのは、そばにいる家族なのです。
「テレビが聞こえにくい」という感覚よりも、「音は聞こえているが言葉がはっきりしない」と感じている方も多く、これも加齢性難聴の典型的なサインです。
放置するとどうなるか
難聴は放置すると進行しやすくなります。そして聞こえにくさをそのままにしていると、会話することが少しずつ億劫になり、家族と過ごす時間の質が変わっていきます。
近年の研究では難聴と認知症リスクの関連も指摘されています。難聴そのものが直接認知症を引き起こすというより、コミュニケーションが減ることで脳への刺激が少なくなる、という流れです。早い段階で対処することが、その後の生活に大きく影響します。
補聴器を使い始めたあとに、よく聞く言葉
補聴器を使い始めたお客さまが、しばらくして来店されたときによくおっしゃることがあります。「家族との会話が戻った」「久しぶりに一緒にテレビを見ながら笑えた」という言葉です。
最初は「こんなもの絶対つけたくない」とおっしゃっていた方が、「今は手放せない」とおっしゃるケースも多い。
補聴器をつけて聞き取りが改善されると、不思議なことが起きます。これまで「普通」だと思っていたテレビの音量が、急に大きすぎると感じるようになるのです。
ご本人が自分でボリュームを下げる。何年も「うるさい」と言い続けてきた家族が、何も言わなくてよくなる。「補聴器をつけてから、テレビの音でケンカしなくなった」とおっしゃるご夫婦も少なくありません。
ただ、面白いことにその逆も起きます。聞き取りが改善されることで、今度は補聴器をつけていない家族の方が「もう少し音量を上げて」と言いはじめるケースもあります。難聴だったご本人に合わせて、家族も大きな音量に慣れきっていたのです。
どちらのパターンも、補聴器をつける前には想像できなかった変化です。そしてこの変化を、できれば家族と一緒にその場で体験してほしい。だからこそ、最初からご家族と一緒に来ていただきたいのです。

できれば、ご家族と一緒に来てください
これは、長年この仕事をしてきて、はっきりとお伝えしたいことです。
ご本人が一人で来店されても、なかなか解決しないことが多い。それが現実です。
実際、「次回は家族を連れてきます」とおっしゃって、次の来店でスムーズに話が進むケースが非常に多い。つまり、最初から家族と一緒に来ていただくことが、一番の近道です。
理由は三つあります。
一つ目は、納得のスピードが全く違うからです。自覚が薄い方に補聴器の必要性を理解していただくには、専門家の説明よりも、そばにいる家族の一言の方が力を持ちます。「先生もそう言ってたし、あなたも困ってるって言ってたよね」という家族の声が、その場にあるだけで話の進み方が変わります。
二つ目は、フィッティングの精度が上がるからです。どんな場面で聞こえにくいか、どんな音が気になるか、日常をよく知っている家族がいることで、補聴器の調整がより的確になります。本人が気づいていない聞こえの問題を、家族が教えてくれることも少なくありません。
三つ目は、その後の生活を一緒に支えてもらうためです。補聴器は買って終わりではなく、慣れるまでに時間がかかります。困ったことが出たとき、ケアの方法、調整のタイミング。家族が最初から関わっていると、一人で抱え込まずに長く使い続けられます。
もちろん、事情があって一人で来店される方も歓迎しています。ただ、「家族に声をかけられそう」という状況であれば、予約の時点でその旨お伝えいただければ、ご家族も含めてじっくりお話できる時間を用意します。
まず「自分の聞こえを知る」だけでいい
補聴器は高価なイメージがあり、最初から購入を前提に考えると気が重くなるのは自然なことです。でも最初のステップは、「自分の聞こえがどういう状態か確認する」それだけで十分です。
当店では、認定補聴器技能者がじっくり時間をかけてお話を伺い、聴力の状態を丁寧に確認します。その日に補聴器を購入しなくても構いません。試聴だけでも、相談だけでも、できればご家族と一緒に、まずは気軽に来ていただけたらと思っています。
「まだ早いかもしれない」と思う段階こそ、実は一番良いタイミングです。テレビの音量が気になり始めたら、ぜひ一度、専門店に足を運んでみてください。

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The補聴器専門店 中村
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