本日は、2015年の補聴器出荷台数についてお話します。
2015年(1月~12月)の補聴器出荷台数は562,284台となり、前年対比6.9%の伸び。過去最高となりました。
(日本補聴器工業会発表)
●注意
新聞やテレビ広告に登場する集音器やイヤメイト(オムロン)等はこの数字には含まれません。オムロンは、補聴器工業会に属さないため。
「出荷金額」も331億7400万円となり、前年対比6.5%の伸び。
(流通コスト等も加味して、市場規模としては約600億となります。)
金額を台数で割った補聴器の単価は現状維持、といったところです。
ここ数年は、入門クラスの補聴器(10万円前後)、中間クラスの補聴器(15~20万円)レベルアップが目覚ましく、補聴器を着ける方の後押しに繋がっているのでは?と思います。
日本で発表されるデータは、唯一、この日本補聴器工業会が発表するデータのみ。
このデータからわかるのは、台数、金額、タイプ別(形状、電池サイズ、デジタル率)のみ。
時代に合わせて、
「流通別」(専門店、眼鏡店、その他)
「価格帯別」(入門、中間、上位クラス)などの大別があった方が分析しやすく、ユーザー目線に合わせて、補聴器への関心増加にもつながるのかな?とも思います。
少し横道にそれましたが、私が特に注目するデータは二つ。
●耳かけ型補聴器の伸びが110%
●カナル型の耳穴補聴器の伸びが104%
■耳かけ型は、RICタイプの伸びが牽引しています。個人的には、「イヤモールド」と呼ばれるオーダーメイドの耳栓がどれくらい、着けて販売されているのか?と言う点。
「着けても楽だから」と安易に、既成の耳栓を着けたまま販売されているのではないか?と危惧します。
■カナルタイプの耳穴型補聴器の伸びは、市場はけっして「目立ちにくいものだけを求めているのではない」という現れ。肝心なのは、自身で容易に扱えるか否か。
CIC(超小型)の耳穴型補聴器が、一昨年来注目されていますが、さほど「伸びていない」のが実情です。
自宅への補聴器出張訪問をメインに事業を展開する当方としては、現場の実感として、
■自分で容易に扱えるか?
■必要な音が聞こえるか?
■目立たなければなお、良い。
この順番でお客様が満足されているのも、現場の実直なレポートです。
本日は、2015年の補聴器出荷台数データから、現場を垣間見るところまでお話しました。
ハスキーボイスな補聴器伝導師こと
補聴器ご自宅.com
代表 中村雅仁
●補聴器情報
2016年2月、マイクを着けて新しく動画シリーズもスタートします。