今回は、補聴器メーカー直営店のメリット・デメリットについてお話しします。
近年、メーカー直営の補聴器販売店が増加傾向にあります。
ひとえに、メーカー直営店といいましても、大きく分けまして2つの形態に分かれます。
- ゼロからメーカー直営店舗を立ち上げる場合
- 既存の店舗を買収してメーカー直営店舗として再スタートする場合
前提知識として先ずはこの点を知っておいてくださいね。
以下では補聴器メーカー直営店舗のメリットデメリットを箇条書きに書いてまいりたいと思います。
メーカー直営店のメリット
- お試し(レンタル)の補聴器が豊富※場合によってはオーダーメイド耳穴型補聴器もお試しできる場合あり
- どうしてもお使いの補聴器が合わないとなった場合、機種交換もスムーズ
- そのメーカーに特化した販売戦略を取っているので、当然ですがそのメーカー調整慣れしている
- 設備にお金をかけている。※ただし、その設備が日常から使用されているかは自分の目でチェックが必要
- バックにメーカーの名前があるので、責任を持った対応をしてもらえる
メーカー直営店のデメリット
- そのメーカーの音質に合わないとなった場合、どの機種に変更しても合わない可能性あり(同一メーカーであるが故の弱点)
- 購入前に自身で調べてよいのでは?と思った補聴器を扱っていないケースあり。※そのメーカーの直営を探すべし
- 他店購入の補聴器を持ち込んでも「うちでは扱っていません」となる場合が多い
- 他メーカーとの聞き比べがその場で瞬時にできないので、複数店舗を回る必要性あり
- 貴方のお聞こえに、果たしてそのメーカーの音質が本当に合っているか?比較をしていないので、後で悩む可能性あり。
以上がメーカー直営店のメリットデメリットです。
ここで追記を。
前述の話を思い出してください。メーカー直営店舗にも2パターンあるというお話です。
ズバリ、知っておいて損はないお話を申し上げます。
●既存の販売店を買収して直営店舗化したお店では、既に複数メーカーを取り扱っているということ
こういった販売店ですと、メーカー直営でありながら、複数メーカーを取り扱いしているので聞き比べが可能です。
ただし、注意点も必要です。
直営店化とともに新しいスタッフが増えている場合、従来取り扱っていた補聴器メーカーの調整がうまくできない場合があります。※新しく加入したスタッフは、これからが優先されるため、直営メーカーの製品のスペシャリストになるわけですから当然といえば当然ですが。
私からのアドバイスは、古くからそのお店にいるスタッフに聞き比べを依頼すると、本来のメーカー比較が可能になるというもの。
これらのことを知っているか知らないかで、満足いく補聴器選びの成否がかかっているといっても過言ではありません。
今回のメーカー直営店のメリット、デメリットは元補聴器メーカー出身であり、数多くの補聴器販売店の内側を見てきた立場だからこそ書けるお話しです。皆様の補聴器選びに参考になると幸いです。
以上、補聴器メーカー直営店のメリット・デメリットについてお話ししました。
●おまけ
当方が独立開業した動機の一つに、お客様ごとに合った補聴器を提案したいというものがありました。
それぞれの聴力、耳の形、使用目的、これまでの補聴器経験など様々な違いがあります。各メーカーの強みとお客様のニーズに合った補聴器を提供することこそが、中間的な立場で補聴器を提供する補聴器アドバイザー(認定補聴器技能者)の役回りであると考えます。補聴器のことをもっと知りたいといった方には下記の本のご一読をお勧めします。※広告宣伝職を一切排除した補聴器の選び方の本です。