はじめに|「紛失保証があると思っていた」は本当に多い
補聴器の相談で、実際にとても多いのが次の言葉です。
「高い補聴器だから、当然紛失保証も付いていますよね?」
結論から言うと、
補聴器の紛失保証は“あって当然”のものではありません。
メーカー・機種・グレードによって条件は大きく異なり、
同じメーカーでも
「付く機種」「付かない機種」「期間が極端に短い機種」
が混在しています。
補聴器の保証は3種類ある(ここが混同されやすい)
まず前提として、補聴器の保証には大きく分けて3種類あります。
- 自然故障保証
通常使用による電子部品・内部不具合への保証 - 紛失保証
補聴器そのものを失くした場合の保証 - 延長保証・オプション保証
上記を有料で延ばす仕組み
この記事で扱うのは ② 紛失保証 です。
メーカー別|紛失保証の実情比較
| メーカー | 紛失保証 | 対象グレード | 期間の目安 | 専門店から見た注意点 |
|---|---|---|---|---|
| リサウンド | あり | 入門〜上位 | 1〜2年 | 比較的早期から制度化。延長保証は可能だが費用は高め |
| スターキー | あり | 入門〜上位 | 約120日〜 | 期間は短めだが安心 |
| シグニア | あり | スタンダード以上 | 1〜2年 | ベーシックでは付かないケースが多い |
| フォナック | あり | スタンダード以上 | 1〜2年 | |
| オーティコン | あり | 入門機種から | 1〜2年 | 標準付帯ではないため要事前確認 |
🔴 重要
どのメーカーも
- 原則「1回限り」
- 同一ユーザーで再度の紛失は不可
という条件がほとんどです。
■ リサウンドの紛失保証の考え方
リサウンドは、比較的早い段階から紛失保証を制度として整えてきたメーカーです。
スタンダード機種から、一定期間の紛失保証が付帯するケースが多く、
「はじめて補聴器を使う方」にとって安心感を持ちやすい設計と言えます。
ただし、
保証期間・回数・対象条件は機種ごとに異なる ため、
購入時には必ず最新条件の確認が必要です。
延長保証オプションが用意されている点 が特徴です。
ただし、延長保証は費用が高額になる場合もあるため、
「本当に必要かどうか」を使用環境と合わせて検討することが重要です。
■ スターキーの紛失保証の考え方
スターキーは、紛失保証の付帯期間が短め(約120日など)ながら入門機種から設定されているなど安心の保証です、
他メーカーにない点は、破損による修理も、この紛失保障を1回分使用することで対応できた事例もありました。
あくまで
- 保証期間内
- 利用回数未使用
- 状況説明が明確
といった条件が揃った場合に、メーカー判断で対応されたケースがある という位置づけです。
■ シグニアの紛失保証の考え方
シグニアでは、スタンダード以上のグレードで紛失保証が付帯するケースが中心です。
ベーシックモデルでは、原則として紛失保証が付かないことが多く、
「価格を抑えたい方ほど注意が必要」なメーカーのひとつです。
上位機種を選択することで保証条件は改善しますが、
その分、総費用とのバランスを考える必要があります。
■ フォナックの紛失保証の考え方
フォナックも、スタンダード以上の機種で紛失保証が付帯するケースが一般的です。
保証期間は機種によって異なります。
■ オーティコンの紛失保証の考え方
オーティコンは、すべての機種に紛失保証が標準付帯しているわけではありません。
比較的後発的に紛失保障を付けてくれたメーカでベーシックモデルから保証鵜が付いているのが特徴
紛失保障期間には差があるので要注意
よくある誤解と現実(FAQ)
Q1. 補聴器には必ず紛失保証が付いていますか?
いいえ。
特に 価格を抑えたベーシックモデルでは、紛失保証が付かないことが一般的 です。
「メーカー名」ではなく
機種グレードで決まる
という点が最大の落とし穴です。
Q2. 紛失保証と自然故障保証は何が違いますか?
- 紛失保証:補聴器を失くした場合
- 自然故障保証:通常使用での内部故障
👉
落下・踏みつけ・車に踏まれた といった事故は
原則どちらの保証にも該当しません。
Q3. 紛失したら、まず何をすればいいですか?
最初に行うべきことは 警察への遺失物届の提出 です。
このとき発行される
「受理番号」 が、
メーカーへの紛失保証申請で必須になるケースがほとんどです。
Q4. 車に踏まれて壊れた場合、紛失保証は使えますか?
原則使えません。
これは「紛失」ではなく
自己責任による破損事故 と判断されます。
Q5. 破損による故障が例外的に保証対応されるケースはありますか?
あります。
たとえば スターキー では、
- 紛失保証の有効期限内
- 利用回数(1回)未使用
という条件下で、
破損でも紛失保証を代替適用できた実例があります。
※ あくまでメーカー判断による例外対応で、
保証を約束するものではありません。
専門店として伝えたいこと
紛失保証は、確かに安心材料のひとつです。
しかし 保証がある=安全 ではありません。
当店では、
- 耳から外しやすい場面
- マスク・帽子・寝落ち時のリスク
- 生活動線と紛失しやすさ
まで含めてご説明しています。
保証内容だけを見て選ぶのではなく、
「失くしにくい使い方」まで含めて考えること が
結果的に一番の安心につながります。
まとめ|購入前に必ず確認してほしいこと
- 紛失保証は 全機種共通ではない
- メーカーより 機種グレード差が大きい
- 原則1回限り・再保証不可
- 破損は対象外(例外はあるが保証ではない)
あとから後悔しないために、
購入前に一度、条件を整理しておきましょう。
追記
紛失が多い人には共通点があります
補聴器の紛失は「不注意」ではありません。
実際の現場では、特定の生活パターン・行動習慣 が重なることで起きています。
紛失が起こりやすい代表的なケース
- マスク・帽子・眼鏡を頻繁に着脱する
- 家の中で補聴器を外す習慣がある
- ソファやベッドで横になることが多い
- 外した補聴器の定位置が決まっていない
- ご本人ではなく、ご家族が管理している
これらに複数当てはまる場合、
メーカー保証の有無以上に「使い方の見直し」が重要 になります。
紛失保証よりも大切なこと
紛失保証は、あくまで「最後の保険」です。
本当に大切なのは、
- 失くしにくい装着方法
- 外したときの置き場所
- 生活動線に合った補聴器選び
これらを 購入前から一緒に設計すること です。
👉
詳しくは
「補聴器を失くしやすい人の特徴と、今日からできる対策」
の記事で解説しています。




