このページでは、補聴器に馴染みのない方にとっては初耳という方もある【認定補聴器専門店】を中心に【認定補聴器技能者】についても説明を行ってまいります。


●主な経歴:「ハスキーボイスな補聴器伝道師」ドイツの補聴器メーカー、シーメンス補聴器(=現:シバントス)に12年勤務。2012年11月にメーカー5社を扱う補聴器専門店を開業。これまで受けた相談は9600件以上。認定補聴器技能者。著書に「間違いだらけの補聴器選び」(コスモ21社)がある。業界最多となる800件以上のYouTube投稿中。 続きはこちら
認定補聴器専門店について|よくある質問(Q&A)
Q1. 認定補聴器専門店とは何ですか?
認定補聴器専門店とは、認定補聴器技能者が在籍し、聴力測定・説明・調整・アフターフォローまでを一貫して行う補聴器の専門店です。補聴器を「売ること」ではなく、「聞こえを改善し、使い続けられること」を目的としています。
Q2. 一般的な補聴器販売店との違いは何ですか?
一般的な販売店が商品や価格を中心に提案するのに対し、認定補聴器専門店では、聴力評価・生活環境・理解度を重視し、数値と体感の両面から補聴器を調整します。特定メーカーに偏らない比較提案ができる点も大きな違いです。
Q3. 認定補聴器技能者とはどんな資格ですか?
認定補聴器技能者は、補聴器に関する専門教育と実務経験を積み、試験に合格した有資格者です。聴力測定、補聴器の選定・調整、継続的なフォローまでを専門的に行います。
Q4. 補聴器はすぐに慣れますか?
多くの場合、補聴器は徐々に慣れていくものです。認定補聴器専門店では、無理のない設定から始め、使いながら段階的に調整を行うため、初めての方でも安心して使用できます。
Q5. 他店で合わなかった補聴器でも相談できますか?
はい、可能です。認定補聴器専門店では、現在の補聴器が合わない理由を評価し、必要に応じて再調整や別機種の提案を行います。「なぜ合わなかったのか」を明確に説明できる点が特徴です。
Q6. 認定補聴器専門店はどんな人に向いていますか?
補聴器が初めての方、過去に失敗経験がある方、ご家族に安心して使ってほしい方、価格よりも納得感・安全性を重視したい方に向いています。
認定補聴器専門店とは?
補聴器は、ただ「買えば聞こえるようになる」ものではありません。
聞こえの状態や生活環境に合っていなければ、「うるさい」「疲れる」「結局使わなくなる」といった失敗につながります。
認定補聴器専門店とは、そうした失敗を防ぐために、第三者機関が正式に認定した補聴器専門店です。
どこの誰が認定しているの?
認定補聴器専門店の認定は、公益財団法人テクノエイド協会が行っています。
テクノエイド協会は、厚生労働省と関わりの深い公的性格を持つ団体で、補聴器や福祉用具の安全性・適正利用・人材育成を担っている機関です。
この協会が定めた基準を満たし、書類審査と実地調査の両方に合格した店舗だけが「認定補聴器専門店」を名乗ることができます。


なぜ「認定」が必要なの?
補聴器は医療機器にあたり、本来は専門的な知識と正確な評価が欠かせません。
しかし実際には、
- 短時間の説明だけで勧められた
- よく分からないまま購入した
- 合わない理由が説明されなかった
といった声も少なくありません。
認定補聴器専門店は、こうした問題が起きないよう、第三者(テクノエイド協会)による厳しいチェックを受けた店舗です。
認定補聴器専門店の3つの安心ポイント
① 資格を持つ専門家が必ず対応
認定補聴器専門店には、認定補聴器技能者という専門資格を持つスタッフが常勤していることが義務づけられています。
補聴器の選定・調整・説明は、この資格者が直接、または責任を持って行います。
② 正確に測定できる設備が整っている
静かな測定環境、専用の測定機器など、聞こえを数値で正しく確認できる設備が必須条件です。
「感覚任せ」ではなく、データに基づいた調整ができる体制が整っています。
③ 購入後まで責任を持つ体制
認定補聴器専門店では、調整内容や経過を記録し、購入後の再調整・相談にも継続して対応することが求められます。認定補聴器専門店は、地域の補聴器相談医と連携し、購入後の報告義務が発生します。
※補聴器相談医との連携は、資格取得の際の必須事項となっています。
実はとても厳しい認定制度です
- 書類審査だけでなく、第三者による実地調査
- 設備・人員・説明方法・衛生管理まで確認
- 基準未達の場合は改善指導、場合によっては不認定
さらに、認定は5年ごとの更新制で、一度取得すれば終わりという制度ではありません
<メーカー出身の当方だからこそ話せる実話>
ココだけの話ですが。。。業界歴が長くなれば長くなる程、自己流のフィッティングや管理法が習慣化してしまいます。ノウハウといえばそれまでですが、定期的に第3者による管理、チェック体制がないと、業界の本流(王道)から離れてしまう可能性があります。
実際の話、第3者からの指摘に対して素直に対応できず、認定補聴器専門店の資格停止といった事例もありました(代表者が高齢になると、自ら認定を降りるといった事例も…)
こんな方に認定補聴器専門店は活用して欲しい
- 補聴器が初めてで不安な方
- 以前、補聴器が合わなかった経験がある方
- ご家族に安心して使ってほしい方
- 価格よりも「納得」「安心」を重視したい方
認定補聴器専門店が重視する4つのポイント
- 評価重視の補聴器選び
感覚的な「聞こえた・聞こえない」だけでなく、測定結果や数値に基づいた客観的な評価を行います。
- 分かりやすい説明
「なぜこの補聴器が必要なのか」「なぜ今は合わないのか」を、専門用語を避けて丁寧に説明します。
- メーカーに偏らない中立性
複数メーカー・複数機種を取り扱い、特定メーカーに偏らない比較提案が可能です。
- 購入後を重視したフォロー
補聴器は「買って終わり」ではありません。使いながら調整を重ね、聞こえを育てていくサポートを行います。
| 比較項目 | 一般的な補聴器販売店 | 認定補聴器専門店 |
|---|---|---|
| 対応者 | 販売スタッフ | 認定補聴器技能者が直接対応 |
| 提案基準 | 商品・価格中心 | 聴力評価・生活背景中心 |
| 調整時間 | 短時間 | 十分な時間をかけた個別対応 |
| 取扱メーカー | 限定的 | 複数メーカーを比較提案 |
| ゴール | 購入すること | 安心して使い続けること |
| 向いている方 | 価格重視・短時間で決めたい方 | 失敗したくない方・納得して使いたい方 |
| 初めての方 | 不安が残りやすい | 丁寧な説明で安心 |
| 他店で合わなかった方 | 対応が難しい場合あり | 原因を評価し再提案が可能 |
| ご家族同席 | 想定されていないことが多い | 家族同席を前提に説明 |
まとめ|補聴器選びで後悔しないために
補聴器選びで大切なのは、「どの補聴器を買うか」よりも「どこで・誰に相談するか」です。
認定補聴器専門店は、公益財団法人テクノエイド協会が認定した、信頼性の高い補聴器専門店です。
補聴器で後悔しないために、ぜひ「認定補聴器専門店かどうか」をひとつの判断基準にしてください。
※要注意
【認定補聴器専門店】の諸条件は整っていても…
担当者とお客様自身のお考えが「合わない」となった場合、 いつまでたっても数値管理に基づく【補聴器の効果測定】が行われないとなった場合は、セカンドオピニオン(=他の認定補聴器専門店)の活用も有益です。
メーカー直営専門店の場合、そのメーカーの機種が合わないとなった場合に回避する余地が少ないため、複数メーカー取り扱いの独立系の認定補聴器専門店の活用もお勧めです。

認定補聴器技能者とは、補聴器に関する専門知識・技能・倫理について、テクノエイド協会 が定める基準を満たし、試験に合格した者に与えられる公的性格をもつ専門資格です。

補聴器を「販売できる人」ではなく、聞こえの評価・選定・調整・継続フォローまでを専門的に行える人であることを示します。
誰が・どのように認定しているのか?
認定機関:テクノエイド協会
制度名:認定補聴器技能者制度
目的:
補聴器提供における技術水準の確保
利用者保護と適正な補聴器供給
※ 業界団体ではなく、福祉用具・補装具分野を担う第三者機関が関与している点が重要です。
● 認定補聴器技能者になるための主な要件
補聴器販売・調整に関する実務経験
所定の専門講習の受講 ※受講分野は以下に分かれます 法規、補聴器の機能・音響、接遇、音声・言語、障害者福祉・リハ、フィッティング、臨床医学
認定試験(学科・実技)に合格
認定後も更新制(継続研修が必須)
👉 名称を名乗るには、テクノエイド協会の認定を受け続ける必要があります。


