
補聴器を使用していたら、突然聞いたことのない警告音(アラーム・お知らせ音)が鳴り出した…
いったい補聴器に何事が起きているのだろう?故障?と心配になる方もあるのではないでしょうか?
警告音には主に3種類+その他の音が存在します。
1,電池交換を知らせるアラーム
2,メーカー修理に出す事を勧めるアラーム
3,貸し出し(お試し)期間終了を意味するアラーム
その他:他の機器との連携スタートを意味するアラーム

それでは順番に解説していきますね
電池交換を知らせるアラーム

補聴器が正常時
現在発売されている補聴器の大半は、電池交換を知らせるアラーム機能を搭載しています。電圧を管理し、基準を下回った段階でアラームを発します。アラームの種類はメーカー毎に異なります。
一つの周波数の音で知らせるものもあれば、ミュージックのように複合音の場合もあります。ワイデックス社の製品の中には日本語で電池交換を促すメッセージが流れる機種も存在します。
対応策
●新しい電池と交換する。
※電池を新しいものと交換する場合は、電池に付いているシールを剥がしてから40秒か50秒経つのを待つのがポイント。それから補聴器のスイッチを入れて下さい。(理由は、電池内部に酸素を十分に充填するため。補聴器用の空気電池は酸素を取り込んではじめて機能開始します。)
●充電式の補聴器をお使いの方は、いつものセットに補聴器を戻し、充電を開始して下さい。

補聴器が一時的に正常でない場合

言われたとおり、電池を変えてみたけれど相変わらずアラームが鳴って、状況は変わらない。いったい何が問題なの?
対応策
- 乾燥機に入れて1日、2日様子をみる
- 電気乾燥機に入れ、2回、3回乾燥させる
- 電池を異なるパッケージのものと交換してみる

夏場、冬場に多いのですが、一時的に内部に水分が貯まり、電源供給が正常に機能していないケースがあります。夏場は汗の侵入によるもの、冬場は寒い外出先から温かい部屋に戻った場合など。そのため、補聴器を乾燥して時間が経過すると問題なく動き出すことも多いです。

極稀に電池自体に不具合があるケースも。そのパッケージのロット分だけ正常に機能しない電池が混ざってしまった可能性もあります。可能性を排除するため、別のタイミングで購入した電池を試してみるのも原因を探る一つの方法です。
シリカゲルの交換は大丈夫ですか?シリカゲルが古いと乾燥ケースに入れても意味がありません。お店に行くタイミングがない場合は、お菓子、海苔などに入っているシリカゲルを一時的に代用するのもコツです。


充電式の補聴器でもアラームが頻繁に起こる場合は、充電池の異常も考えられます。その場合はメーカー修理に出すことに。
メーカー修理に出す事を勧めるアラーム
最近のシリーズでは、補聴器自体が異常を察知して、メーカー修理の出した方が良い段階に入っている、とアラームを発する機能を搭載しています。ベロックスシリーズなど

対応策
買われた補聴器販売店にご持参下さい。※購入後、転居されている場合にはお近くの販売店に事前連絡の上、保証書と共にご持参下さい(※そのメーカーを扱っているお店に限る)

この機能は従来には無かった機能ですので、補聴器販売店の中にはこれを知らないお店も一部あるかと思います。

最初に言ってくれていれば、焦らなかったのに…

おっしゃるとおりです。ただ、どのタイミングでこれをお伝えしてよいか?は、正直難しいところがあります。“メーカー修理に出すことを勧めるアラーム”が鳴ることは、そう多くはないからです。最初にありとあらゆる可能性に言及してしまいますと、肝心な操作方法のお話が薄れてしまうこともありますので…
貸し出し(お試し)期間終了を意味するアラーム
最近では補聴器購入前のお試し、貸し出しがスタンダードなっています。補聴器販売店とユーザーの皆さん、限られた時間の中で自身に合った補聴器か否かを体験する便利な制度で、貸出期間も7日間から1ヶ月間と長期に及びます。
お客様の体調の変化等でやむを得ず、貸出期間が伸びるケースもあります。一方で、この貸し出し制度を使って、複数の販売店から「必要な行事ごとの時だけ」「無料貸し出し」を受ける方もおられます。※これは、日本に限ったことではなく、海外でも。

こうしケースの対策として、設定した時間がくると自動的に補聴器としての機能をストップする機能をメーカー側が予め付けているものです。

確かにお店の側からしたら、貸すリスクはあるわよね。

販売店側もいつまでも長々と貸し出すのではなく、あらかじめの目標と、ユーザーの皆さんの納得度が一致するよう時間制限をかけることは、お互いにとっても有益なことだと思います。
その他:他の機器との連携スタートを意味するアラーム

最後にその他アラームについてもお話しておきます。
・電源が入ったことを知らせるアラーム
・他のブルートゥース(bluetooth)機器との接続が開始したことを知らせる
・クロスマイクと連携がスタートしたことを知らせる
・航空機モードに切り替わった事を知らせる
・予め設定したメモリーが切り替わったアラーム
・音量を変化させた場合、販売店側が設定した音量の位置に戻った事を知らせる
等、メーカーや機種によって様々なアラームが用意されています。
対応策
異常を知らせるものではありませんので、特に対策はありません。頻繁にアラームが鳴って気になる場合は、アラームをオフにすることも可能です。販売店でオフ設定してもらって下さい。
また、ご自身がお使いの補聴器で、気になったアラームがありましたらその都度、担当者に訊ねるのが忘れない秘訣かと思います。

こんなにアラームがあるなんて知らなかったわ

最も多いご質問の一つに、最初にご紹介した「電池消耗お知らせ音」が挙げられます。 今回ご紹介した電池を交換しても、直ぐにお知らせ音が鳴るといった場合は乾燥させてしばらく様子を見て再チャレンジすると、何事もなかったように動き出すことがあります。今回は複数のお知らせ音についてご説明しましたが、ポイントは普段使用する中で重要なお知らせ音とその対策クリアーすることから始めていきましょう!
警告音には主に3種類+その他の音が存在します。
1,電池交換を知らせるアラーム⇒電池を交換してもまだアラームがなる場合⇒補聴器を乾燥してしばらく様子を見る。
2,メーカー修理に出す事を勧めるアラーム⇒購入された補聴器販売店に持参して下さい。
3,貸し出し(お試し)期間終了を意味するアラーム⇒補聴器を購入するか否かの決断の時。アラームを消して欲しいと思うなら、選択肢は一つです。
その他:他の機器との連携スタートを意味するアラーム⇒気になった音は忘れないようにメモ書きしておくと次回販売店に行った際に説明しやすいです。
今回の一言

それぞれに意味のある警告音。事前に知っていると心の余裕が違いますね!