<初心者のための補聴器Q&A>使っていない父の補聴器を再調整できますか?
父の件でご相談します。最近特に聞こえが低下したようです。使用していない父の耳穴型補聴器があるのですが、再調整は可能でしょうか?雑音も多く、ピーピーなって使用していません。
~大阪市補聴器相談室より回答します~
●先ず、ご質問ですが
お父様の耳穴型補聴器は何年前に購入されていますでしょうか?もし3年以上前のご購入でしたら、耳の形=耳型そのものが変わっておられる可能性があります。また、購入当初は聴力が今ほど低下されておられず丁度良い音量で設定していると、ピーピーなることはなかったのでは?と思われます。理由は以下の通り。
購入後に体重の変化はありませんでしたか?
もし体重に変化があられますと、耳の形も変わります。(特にお痩せになった場合)シェルと呼ばれる耳の形をした部分が全体的にゆるくなってしまいます。
音量アップによるハウリング発生リスクUP
聴力低下がありますと、音量(ボリューム)をアップされると、わずかな隙間から音漏れが生じ、外部に配置されているマイク部に音が再入力され、そのままアンプを通じて再増幅。大きくなったピー音がさらにレシーバー部から、隙間を通じて音漏れ。この連鎖が続くことが原因でハウリングが止まらない。しいては、聴力悪化の一因となりえます。
●次にどちらのメーカーの製品でしょうか?
もし当方で取り扱いのないメーカーですと、調整ができかねます。仮に取り扱いのメーカーの場合であっても補聴器本体の年式の都合上、ソフトのバージョンが異なり、対応できない場合もございます。
●再調整後、良くなった場合でもその後、補聴器の状態そのもの経年劣化で悪くなる場合もございます。
補聴器の耐用年数は、5年程度が一般的と言われております。定期的な補聴器の作動、掃除、そして乾燥ケースへの保管を徹底。また必要に応じた修理を施すことで10年近く使用される方もござます。再調整が直接的な原因ではなく、もともとの経年劣化が同タイミングで発生する可能性もあり、故障した場合に再修理が困難な場合があります。
<当方の見解>
(質問の回答結果より)
ご購入から10年経過されているとのお話ですので、結論から申し上げますと、新規でのご購入をお勧めします。
費用を抑えたいとのお考えはごもっともですが、短期的解決で一時的にご満足頂ける可能性はござますが、この先5年、使用できるか?と考えた場合は限りなく可能性が低まってしまいます。現在の聴力レベル、ならびに現在の耳型に合った補聴器を装用されることで、聞こえはもちろん、ハウリングの問題も解決できると考えます。※最近の補聴器はハウリングそのものを抑える機能がレベルアップしており、必要な音量まで十分に上げることが可能です。当方からのアドバイス、ご参考にいただけると幸いです。