Q:テレビの音声が聞こえにくいのですが。。。
A:補聴器を使用して、テレビを聞き取りやすくする方法はいくつかございます。
その前の前提として・・・
カーペットやカーテンのない部屋でテレビを聞くことは難聴者にとっては困難な環境です。例:リビング
※難聴者にとっての大敵は、反響する音。反響音が大きいと何を言っているのか掴みづらくなります。
※畳のある部屋、和室などは比較的、聞き取りに適した環境です。
それでは、解決方法を4つご案内します、
その1、テレビ視聴用に特化した音質をあらかじめプリセットする方法。
「メモリー機能」
テレビ試聴時は、音楽含め余り音を押さえ込まない状態の方がスッキリと聞こえます。つまり、通常の日常生活に向けた音質設定と少し変化をつける必要性があります。
最近の補聴器では、以前と異なり、販売店サイドで「テレビ用」といったカンタン調整が出来るようになっています。「プログラム」とか「メモリー」と呼ばれる複数の音質設定のできる補聴器を選ばれると、対応可能です。
メリット:出費が補聴器本体の価格だけで済む。
デメリット:自身で音質設定(プログラム)を切り替える必要性がある。
その2、別売りのスピーカーを設置する方法
最近のテレビは以前と異なり、聞きにくいといった声も聞きます。購入当初のまま(テレビに付属したスピーカー)ですと、音質のよくないテレビも存在します。対応策として、別売りのスピーカーを購入し、まずはテレビ音声送信側で対応をはかる方法がございます。元の音質が良くなる(特にバスの効いた低音部分)と補聴器で聞くことも楽になります。
メリット:音質が良い
デメリット:補聴器に加え、スピーカー代が必要。共用のテレビの場合、家族から「うるさい」といわれる可能性も残る。
その3、テレビの音声を補聴器側に無線で飛ばす方法(別売りリモコンセット※ブルートゥース技術を活用)
家族とボリュームの大きさが違う。。。最も多く寄せられるお客様の声です。装用の初期段階においては、補聴器をしていてもご家族と全く同じ音量で聞くことは困難です。補聴器側の音量を上げ過ぎると、他の音も大きく這いいてしまう為。この問題を解決する為に、無線技術による音声送受信の方法があります。無線対応の補聴器本体+リモコン(テレビセット)購入することで活用できます。
メリット:家族が聞いているボリュームに左右されない(周りとの協調が可能)
デメリット:補聴器に加え、リモコンセット代が必要。このシステムを使用時は電池消耗が問題となる。(リモコンを充電するタイプ、補聴器の電池を交換するタイプなど)
その4、ループシステムの活用
補聴器のには、テレコイル(磁気誘導コイル)が内蔵されているものがあります。この補聴器と、外部のループと呼ばれる、音声信号(一旦、電気信号に変えた上)を磁気を発生させるアンテナとを組み合わせることで、テレビ音声だけを直接補聴器に届けることが可能です。
メリット:テレコイル内臓であれば安価な補聴器でも使用できる。
デメリット:ループシステムは別売り。ループアンテナの範囲内だけでしか使用できない。
上記以外に、補聴器を使わず、イヤホンやヘッドホン(ワイヤレス含む)を活用する方法もありますが、これらは元々の聴力の補正ができていないまま活用するものですので、音量が大きすぎたり、きこえにくかったりが残ります。(慣れてくると大きな音も気にならなくなりますが、知らず知らずの内に痛めてしまうこともありますので、長時間の使用は特に注意が必要です。)
また、言葉の聞き取り状態(言葉を聞き分ける機能低下など)によっては、上記の方法を試しても効果がない場合もあります。まずは、補聴器の販売店で果たして効果があるのか?購入前に、事前確認されることをおススメします。
今回はテレビ音声の聞き取りを改善する方法についてお話しました。
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