Q:補聴器の貸し出しは可能ですか?
A:既製品(耳かけ式補聴器、RIC補聴器)であれば可能です。
※ただし、注意点も必要です。
販売店サイドが、購入しようとしている補聴器をすべて取り揃えているわけではないということです。
メーカーだけでも10社近くある補聴器業界。くわえて各メーカーごとの主力機種は、だいたい3~4機種が存在します。
※しかも軽度~重度までの効力レベル全てに対応するとなると、いったい、どれだけの貸し出し補聴器が必要でしょうか?
※最大4機種×10メーカー、さらには各聴力対応モデルとなると、どれだけの数が。。。
これだけで、販売店側もメーカー側も、事業が成り立たなくなります。
貸し出し段階は、あくまでも「使用できそうか否か?」「うまく扱えそうか否か?」を事前にチェックする為のモノです。
※完璧を求めるものではありませんし、補聴器単体で完璧になる補聴器も存在しません。(ご自身のトレーニングも必須です。)
このあたりのニュアンスを、お客様にも受け取ってもらえると宜しいかと思います。
販売店もプロですので、少なくとも1週間程度の期間があれば、このお客様は使いこなせるのか?他のメーカーの方が良いのではないか?
など、対応策として色々なアイデアは浮かんできます。
※たまに、やたらと事前の貸出しをPRする販売店(=お客様が使えるまで販売しない云々)もあります。
私が思うに、スタッフ自らがユーザーの皆様をナビゲートする役割を果たさすのが補聴器専門店本来の役目。
補聴器本体に依存して、使えるか否かを最終的にお客様の判断に任せているようでは、まだまだレベルが低いと言わざるをえません。
期限を設けて、販売店とユーザーの皆様とのいい意味での”真剣勝負”を行うべきでは?と考えます。(=返品保証を設ける)
最後になりますが、耳あな式補聴器(オーダーメイド式)の試聴は購入前の段階では不可能です。
型をとって初めて作製段階に入るもので、試聴の為だけに新たな補聴器を作製するわけにもいきませんので。
※一部の販売店では「試聴」「お試し」と称して代金を払う前の段階でオーダーメイドの耳あな式補聴器を作製する所があります。
出来上がった補聴器には既にご自身の名前が入っていたり、いらないと申し出にいっても何度も調整を重ねられたりと、購入拒否ができにくいシチュエーションを設けられるところもあります。
こういった場合にはお客様自身の断る姿勢も重要ですので、意思をもってしっかりと行動することが必要です。
今回は、補聴器の貸し出しについてお話しました。