補聴器の割引はどれくらいあるものか

補聴器の価格について調べていると、
「もう少し安くならないのか」
「割引はどれくらいあるものなのか」
と感じる方は少なくありません。
補聴器はどうしても高額な商品です。
そのため、目に見える金額に引っ張られてしまうのは自然なことだと思います。
ただ、このQ&Aの目的は
安易に価格割引に引っ張られることで、結果的に損をしてしまうケースがある
という点を知っていただくことにあります。
補聴器は「買って終わり」の商品ではありません
補聴器は、購入した瞬間に完成する商品ではありません。
実際には、
- 購入後の調整
- 聞こえの変化に応じた再調整
- 耳の状態の確認
- 故障や不具合への対応
こうした購入後の関わりによって、初めて効果が安定していきます。
多くの補聴器の価格には、
数年間(=保証期間2年もしくは3年)にわたる調整やサポートがあらかじめ含まれています。
そのため、金額だけを見ると高く感じられることがあります。

割引が行われると、何が起きるのか
補聴器の価格を割引する場合、
原価そのものが下がるわけではありません。
では、どこで調整が行われるかというと、
多くの場合「人が関わる部分」、つまり調整や対応の時間です。
専門店では、完全予約制で時間を確保し、
他のお客様の対応を止めて一人の方に向き合います。
この時間そのものが、補聴器の価値の一部になります。
割引を行うということは、
結果として調整回数や対応時間を減らさざるを得なくなるケースもあります。
これは最終的に、使用されるご本人の不利益につながる可能性があります。

海外との違いについて
海外、特にアメリカでは、
補聴器本体の価格と調整料が明確に分かれている場合があります。
一方、日本では
「買った後に調整で費用がかかる」という考え方が、
まだ一般的ではありません。
そのため、日本では
最初から調整やサポートを含めた価格設定になっていることが多く、
これが高額に見える一因でもあります。
当店が割引を行っていない理由
当店の目的は、
補聴器を「安く売ること」ではありません。
- 買った後に生活の中で効果を感じられること
- 長期間、納得して使い続けられること
この状態を作ることを最優先に考えています。
そのため、価格を下げる代わりに何かを削る、
という考え方は取っていません。
また、購入前に慎重に考えていただくため、
当店では有料相談(90分3,000円)という形を設けています。

「安く抑えたい」という場合の考え方
どうしても価格を抑えたい場合、
「割引してもらう」以外の選択肢もあります。
例えば、
- 静かな場所での聞き取りを優先する
- 自動機能を減らし、シンプルな操作にする
- 最新機種ではなく、少し前の世代の機種を選ぶ
といった形で、目的に合った構成にすることで
結果的に費用を抑えられる場合があります。
それ以下の価格帯になると、
人が関わらない通販型の集音器や簡易補聴器の範囲になります。
用途によっては、イヤホン型機器の方が適している場合もあります。

価格だけで判断しないために
電話で
「お宅の補聴器はいくらですか」
と聞かれることがありますが、
医療機器である以上、個別条件を無視して金額だけをお伝えすることはできません。
もし「これ以上は出せない」という上限がある場合は、
最初に伝えていただいた方が、
その範囲内で最良の提案ができる場合もあります。
また、補聴器の耐用年数は一般的に約5年とされています。
価格を5年、さらに日割りで考えると、
毎日使うほど価値が積み上がる商品だとも言えます。
なぜ補聴器は高価なのか
補聴器の価格には、
- 人が関わる調整・対応の時間
- 効果測定や検査機器の導入・維持
- 定期的な機器校正や管理コスト
- 店舗運営や環境整備
こうした要素が含まれています。
認定補聴器専門店では、
効果測定を繰り返し行うための設備や時間が必要になります。
これらは短時間・人目の多い環境では難しい場合もあります。

まとめ
補聴器は、
最初の割引額だけで得か損かが決まる商品ではありません。
- 毎日、違和感なく使えること
- 困ったときに相談できる関係性があること
- 5年間、納得して使い切れること
こうした点を含めて考えることで、
結果的に満足度の高い選択につながると考えています。
このQ&Aが、
補聴器選びを冷静に考えるための判断材料になれば幸いです。




