今回も各補聴器メーカーの製品を紹介するシリーズのご紹介。前回に引き続きシーメンス社の最新補聴器マイコンシリーズからお届けします。
まずは、画像での紹介からです。
総じて、今回の3機種共に、性能ならびに汗対策に、かなりの前進があります。
PUREタイプは、これまでの課題であった、汗侵入に対し、レシーバー接合部分の変更、周辺にパッキン適用など、大幅な改善が見られます。
一方、防水型補聴器、アクアリスはこれまでの市場の声に対応しています。つまり、もう1段、レシーバーが大きくなり、高度難聴(85d)強まで対応可能となりました。
Life(ライフ)に関しては、両耳装用時に、左右の補聴器の背中についているボタンを活用し、音量の上げ下げが出来るようになっています。
<これは凄い!と感じた機能一覧>
■最上位クラスのみ、12KHzまで、増幅 (ラジオで例えるなら、AMでなく、FM)
補聴器に自然な感じがない、といったご指摘をうけることもしばしばあります。この原因の一つには、耳本来の働きとの違いがあります。健康的な状態であれば、耳本来が聴こえる周波数は、20Hzから20000Hzまで。補聴器の場合は会話の中心周波数に絞って増幅する為、従来は250Hzからよくて7、8000Hzくらいの範囲までしか増幅していませんでした。音楽や鳥の鳴き声など、よりリアルな音を楽しみたい方にはマイコンシリーズの最上位クラスはおススメします。
■ハウリングストッパー2
2本のマイクに、それぞれ、ハウリングストッパー対応マージン利得、35dbと業界でNo1のハウリング抑制力。いったい何のことかわかりませんね。(苦笑)つまり、コレまで以上に、音量を上げていってもハウリングが起こりにくい、といったことを言っています。シーメンス社の従来製品と比較して、2倍以上の音量感がアップしていてもハウリングしていない、といった状況が作り出せます。(ただし、当然ですが、専用耳栓イヤモールドなしの場合にはハウリングしない状態には限界はあります。)
■周波数・圧縮
特に、中高度の難聴のお客様に、試してみる価値がある機能。機能している周波数の範囲で、より高音の話しのヒントになる音を、聴野にいれる機能。
他社では既に先行して登場していましたがが、今回のマイコンでは、その調整レベルの融通性に優れていると感じます。
■自動ボリューム
お客様から考えると、これがあれば、音量調整で何度も来店する手間が省けます。特に初心者の方にとって、便利。※段階を経ながら、徐々に音量アップを補聴器に自動設定するものです。音のゴールと、期間の設定で、期間中、少しずつ、音が上がっていきます。
■サウンドイコライザー
会話、音楽、雑音下など、場面ごとにあった特性に自動切換え。(いわば、自動プログラム変換装置)7miは、6環境用の音質がプリセット。従来はわざわざ自分で環境が変わるたびに、切り替えることが必要だったものが、自動化されて便利になっています。
■サウンドラーニング3
ユーザー自身が、音を育てていく。特に、リモコン活用で、その効果が発揮されます。自動ボリュームとの違いは、時間をかければ、順応してくる事を前提に設定しているか、いなか。(つまり、お客様の使用状況=実績に合わせて変化させるので、自分勝手に音量が変わるものではありません。)
⇒サウンドラーニングは、行動結果に対応するので、スタート時点で、その違いは大きいです。
このほか、販売店目線でいうと、ソフトのバージョンアップが行われ、直感的に調整がしやすくなったメリットも上げられます。
前回のレポートと合わせて読んでいただけるとわかりやすいかもしれませんね。
<動画でも解説>