補聴器は購入した後どうなるの?
補聴器を検討されている方から、
- 購入後は何回くらい通うのですか?
- 調整はいつまで続くのですか?
- 壊れたらどうなりますか?
- 修理中は聞こえなくなるのですか?
- 維持費はどれくらいかかりますか?
- 補聴器は何年くらい使えるのですか?
といったご質問をよくいただきます。
補聴器は購入して終わりの商品ではありません。
購入後も調整や定期点検、修理対応、消耗品交換などを行いながら長く使っていく製品です。
このページでは、補聴器を購入した後の流れについてご説明します。

購入後は何回くらい通いますか?
補聴器は購入した瞬間に完成するものではありません。
購入後しばらくは、
- 音量
- 音質
- 装用感
- 実際の生活環境でのお困りごと
を確認しながら調整を行います。
聞こえ方は使用する中で変化していくため、購入後の調整は一般的です。
当店では、
- 1回目:補聴器お渡しから約2週間後
- 2回目:1回目から3~4週間後
- 3回目:2回目から約1か月後
を目安にご来店いただいています。
もちろん個人差はありますが、多くの方はこの3回程度の調整で落ち着くことが多いです。
その背景のひとつに、実耳測定を活用した調整があります。
実耳測定とは、補聴器の音が実際に耳の中でどのように聞こえているかを測定する方法です。

補聴器の設定画面上の数値だけを見るのではなく、実際に耳の中へ届いている音を確認しながら調整できるため、調整の方向性が早い段階で定まりやすくなります。
もちろん聞こえ方には個人差がありますので、調整回数をお約束するものではありません。しかし、できるだけ短期間で安定してお使いいただけるよう努めています。
※実耳測定について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
(リンク:補聴器、何度度調整しても合わない理由)
調整はいつまで続くのですか?
購入後しばらくして聞こえが安定した後も、
- 聴力の変化
- 使用環境の変化
- 補聴器の状態確認
のため定期点検をおすすめしています。
当店では3~6か月ごと、年2~3回程度の点検を推奨しています。

テレビの声が聞き取りにくい場合
会話は聞こえるようになったものの、テレビの声がはっきりしないというご相談は少なくありません。
テレビの聞き取りは、音が耳に届くまでの距離や、テレビ本体のスピーカー性能にも影響されます。テレビ付属のスピーカーだけでは、音質や音量に限界がある場合があります。
そのような場合は、テレビ視聴用のプログラムを補聴器に追加し、テレビを見る時だけ切り替えていただくことがあります。
それでも改善が難しい場合は、首掛け式スピーカーなど、補聴器以外の機器との併用をご提案することもあります。

職場や生活環境が変わった場合
これまで問題なく使用できていても、職場や生活環境が変わることで聞こえ方が変わることがあります。
たとえば、職場の部屋が変わり、声が反響して聞き取りにくくなったというご相談がありました。
反響する部屋は、難聴のある方にとって聞き取りが難しくなりやすい環境です。後ろから音が回り込むことで、正面の話し手の声以外もワーワーと響き、かえって聞き取りにくくなるためです。
このような場合は、補聴器の指向性機能を活用し、反響する部屋に合わせた調整を行うことで改善する場合があります。

購入後に聞き取りの変化が見つかることもあります
購入時には問題がなくても、半年ほど経ってから聞き取りの変化が見つかる場合があります。
当店では必要に応じて、補聴器を装用した状態で聞き取りの確認を行うことがあります。ご本人が気づかないうちに聞き取りが変化している場合があるためです。
もちろん体調によって一時的に結果が下がることもありますので、ご本人の状態を確認したうえで判断します。
必要な部分だけ少し音を調整することで、聞こえ方が改善する場合もあります。

定期点検では何をしますか?
定期点検では30分程度のお時間をいただき、お客様ごとの特性に(=これまでのやり取りを基に)
応じて、優先すべき事項を重点チェックします。
- 補聴器クリーニング
- 専用機器による乾燥
- 補聴器に付着した耳垢の除去
- 補聴器性能確認
- 装用状態確認
- 聴力変化に応じた再調整
※当店では補聴器本体のクリーニングを行っております。耳の中の耳垢除去は医療行為にあたるため行っておりません。
当店の設備や点検体制については、
認定補聴器専門店のページでも詳しくご紹介しています。
認定補聴器専門店とは
レシーバー詰まりを確認することがあります
ご自身でも、補聴器の先端部や耳垢がたまりやすい部分をブラッシングしていただくことは大切です。
ただ、湿り気のある耳垢は想定以上に奥へ入り込むことがあります。ご自身では取り切れないケースもあるため、当店では専用機器で吸い上げたり、耳垢ガードや耳栓部分の交換を行ったりします。
「故障かと思ったら耳垢詰まりだった」というケースも珍しくありません。
使用状況から再調整が必要になることもあります
補聴器本体には異常がなく、見た目もきれいで、出力も正常。
それでも使用状況を確認すると、毎回ボリュームが上がっていることがあります。
この場合、
- 補聴器に慣れてきたのか
- 聴力が変化したのか
- 使用環境が変わったのか
を確認しながら、必要に応じて最小限の出力調整を行います。
大きく変えるのではなく、少量だけ音量を上げて次回まで様子を見ることもあります。
補聴器の故障前兆を見つけることもあります
補聴器本体にも、人の健康診断のように機能状態を確認する専用機器があります。
当店では、特性装置を使って補聴器の状態を確認することがあります。

人の耳で補聴器の音を直接聞いて「大丈夫です」と言っても、何がどのように大丈夫なのかは分かりにくいものです。
そのため、人の耳で聞く代わりに専用機器で補聴器の音を測定し、正常かどうかをデータで確認します。
ここで異常が見つかった場合は、メーカー修理をご案内します。

補聴器が故障したらどうなりますか?
高い買い物だからこそ、
「壊れたらどうしよう」
という不安は当然です。
補聴器の故障原因には一定の傾向があります。
汗による故障
特に耳かけ型補聴器で多く見られます。
夏場やスポーツ時に汗が内部へ入り込み、故障につながる場合があります。
汗が多い方には、汗カバーの使用や電気乾燥機の活用、使用後の拭き取りをおすすめしています。


耳垢による故障
耳あな型やRICタイプで多く見られます。
耳垢がレシーバー部分に詰まることで、
- 音が小さい
- 音が出ない
といった症状につながります。
故障と思ってご来店されたものの、実際には耳垢ガードの詰まりだったということもあります。
この場合、耳垢ガードの交換や補聴器先端部の清掃で改善することがあります。


落下や衝撃による故障
補聴器は精密機器です。
洗面所や駐車場などで落下させてしまい、故障につながることもあります。
また、踏みつけや強い衝撃による破損も少なくありません。
なお、落下や衝撃による破損はメーカー保証の対象外となります。

駐車場で補聴器を踏んでしまった事例
補聴器ケースに補聴器を入れたまま駐車場に移動中、ケースごと落としてしまい、補聴器を踏んでしまった事例がありました。
幸い補聴器本体の部品の大部分が残っていたため、耳の中に入れるシェルと呼ばれる部分の再形成で修理ができました。このケースでは、シェル再形成分として約3万円の有償対応となりました。

ただし、部品の大部分がなくなっていた場合、修理そのものを受け付けてもらえないこともあります。
また、例外的に落下による破損保証を1回のみ受け付けてくれるメーカーもありますが、機種ランクによって付帯していない場合もあります。
故障を防ぐためにできること
汗対策
- 使用後に乾いた布で拭く
- 汗カバーを使用する
- 電気乾燥機を活用する
耳垢対策
- 耳垢ガードを定期交換する
- 定期メンテナンスを受ける
- 補聴器の先端部をこまめにブラッシングする
毎日数秒でも補聴器を拭く習慣をつけるだけで、トラブル予防につながります。
修理になったらどうなりますか?
修理期間はメーカーにもよりますが、おおむね1~2週間程度です。
修理中は代替機を用意できますか?
当店では修理期間中に代替機をご用意できる場合があります。
ただし、
- 在庫状況
- 補聴器の形状
- 聴力
によってはご希望に沿えない場合もございます。
修理期間中に代替機を利用された事例
株主総会で説明する側に回られるお客様が、タイミング悪くその時期に補聴器の修理となったことがありました。
修理期間中は代替機をご利用いただき、「補聴器を貸してもらえて助かった」とのお声をいただきました。

オーダーメイド補聴器の代替機について
オーダーメイド補聴器は、その方専用の耳型を採取して作成しているため、完全に同じ代替機はありません。
既製品の耳穴型補聴器、形の合うテスト用の耳穴型補聴器、それでも合わない時は耳掛け型補聴器を代用する場合があります。
保証期間が終わったらどうなりますか?
補聴器の保証期間は一般的に2年です。
保証期間中は無償対応となる場合が多くあります。
保証期間終了後も修理対応は可能ですが、有償となります。
また、製造終了から一定期間を過ぎると修理対応自体が終了します。
当店では修理終了が近づいたお客様へご案内しています。
保証対象外になるケース
保証期間中であっても、
- 紛失
- 落下や衝撃による破損
- 取扱い上の不注意による故障
などは保証対象外となります。
詳細はメーカー保証規定に準じます。
補聴器は何年くらい使えますか?
一般的な耐用年数は5年前後とされています。
また、多くのメーカーでは5年を超えると修理費用が高くなる傾向があります。
当店では5年を買い替えの目安としてご案内しています。

8年以上使用された補聴器を修理したケース
8年以上使用された補聴器を修理で対応したケースもあります。
最近の補聴器修理では内部一式交換で対応するモデルも多く、リフレッシュした状態で戻ってくることがあります。
ただし、年数が経過すると片耳5万~6万円程度の修理費用がかかる場合があります。
また、販売終了から一定期間が経過すると修理部品の保持期限を過ぎ、修理不可となることもあります。
今の補聴器を予備機として残す考え方
今使用できている補聴器が元気なうちに新しい補聴器へ移行し、古い補聴器を予備として残しておく方法もあります。
修理期間中や万一の故障時にも安心です。
また、新しい補聴器へ慣れるまでの期間を無理なく過ごしやすくなります。
充電式補聴器の充電池は何年持ちますか?
充電式補聴器の充電池は、一般的には2~3年を過ぎた頃から使用時間が短くなることがあります。

充電池交換=即買い替えではありません
まずは、
- 充電池の劣化
- 充電器側の問題
- 本体側の問題
を確認します。
購入から期間が浅いケースでも汗等の侵入により電池部に支障をきたすケースもあり得ます。
充電器用USBケーブルが原因のこともあります
充電式補聴器で意外と多いのがUSBケーブルの断線です。
圧のかかる状態での使用が続くと起こり得ます。
USBケーブルは消耗品のため保証対象外となります。近くの大きな電気店でお買い求めください。
保証期間中に充電池交換できる場合もあります
充電タイプの補聴器にとって充電池は非常に重要です。
メーカーによっては、保証期間中に1回限り無償で充電池交換を行える場合があります。
維持費はどれくらいかかりますか?
| 項目 | 交換目安 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 耳垢ガード(自身で交換した場合) | 3~6か月 | 約1,300円 |
| RICタイプ ストッパー・耳栓パーツ一式 | 3~4か月 | 約1,500円 |
| イヤーモールド(耳栓) | ソフト:1-2年 ハード:2年 | 目安:片耳11,000円~12000円 |

補聴器を1日あたりの費用で考えると
例えば両耳80万円の補聴器を5年間使用した場合、
1日あたり約440円です。
購入時は高額に感じますが、毎日使う生活機器として考えると見え方が変わるかもしれません。
買い替えの目安は?
- 使用開始から5年以上経過した
- 修理費用が高額になった
- 聴力が変化した
- 充電池の持ちが悪くなった
- 修理対応終了が近づいている
修理終了前に買い替えを考える理由
補聴器の修理は、5年を過ぎると修理金額が高くなることがあります。
もしこの期間に不具合が出ている場合は、修理を行った補聴器を予備機として残しながら、新しい補聴器を検討する方法もあります。
前回購入時から聴力が変化している場合、新しい補聴器の方が細かな調整に対応できるケースもあります。
補聴器の買い替えを考え始めると、
「今の補聴器はいくらくらいなのか」
「価格によって何が違うのか」
も気になるところです。
補聴器の価格差がどこから生まれるのか、価格帯ごとの特徴については、こちらのページで詳しくご紹介しています。
補聴器は購入後のサポートも大切です
補聴器は購入した瞬間に完成する商品ではありません。
購入後の調整や定期的なメンテナンスを行うことで、快適なお聞こえを維持することができます。
当店では補聴器は販売して終わりではなく、購入後の調整やメンテナンスこそ重要だと考えています。
補聴器業界25年の経験の中で、多くの「購入後に困っている方」のご相談を受けてきました。だからこそ当店では、購入後のサポート体制を重視しています。
「なぜ当店がアフターサポートを重視しているのか」
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