補聴器をつけると自分の声がこもる、響く…これって普通?
補聴器をつけた瞬間、
「自分の声がこもって聞こえる」
「頭の中でしゃべっているような感じがする」
と違和感を覚えたことはありませんか?
ヤフー知恵袋でも非常に多い相談で、
「補聴器が合っていないのでは?」
「不良品なのでは?」
と不安になる方も少なくありません。
結論から言うと、
それは決して珍しいことではありません。
多くの場合、原因は「オクルージョン効果」と呼ばれる現象で、
正しい調整と対応を行えば改善できるケースがほとんどです。
この記事では、補聴器専門店の立場から
自分の声がこもる原因と、
我慢せずに解決するための具体的な対処法を
実際の対応事例を交えて解説します。
自分の声がこもる原因「オクルージョン効果」とは

補聴器をつけたときに自分の声が響く現象は、
オクルージョン効果(こもり感)と呼ばれます。
耳の中を補聴器でふさぐことで、
自分の声や咀嚼音などの「体内音」が外へ逃げにくくなり、
結果として頭の中で響いて聞こえてしまうのです。
耳あな型で起こりやすい理由
特に次のような条件で起こりやすくなります。
- 耳あな型補聴器
- 密閉度が高い形状
- 補聴器を初めて使用する場合
耳をしっかり密閉するほど、
音の逃げ道が少なくなり、こもり感が強くなります。
初期調整で自声を抑えている理由
試聴や使い始めの段階では、
- 急激な聞こえの変化を避ける
- 不快感を軽減する
- 装用を続けやすくする
といった目的から、
あえて自分の声を抑える調整が入っていることがあります。
そのため、
「聞こえは良くなったけれど、違和感が残る」
という状態になることもあります。
専門店としての結論|我慢するものではありません

ここは、とても重要なポイントです。
- ❌「慣れればそのうち気にならなくなる」
- ❌「音量を上げれば解決する」
どちらも正解ではありません。
この問題は、
耳型・ベント(音の抜け道)・調整方針に関わるものです。
👉「慣れ」ではなく、調整で解決すべき症状です。
音量を上げても解決しない理由
こもり感は音の大きさの問題ではありません。
音量を上げることで、
かえって不快感が強くなるケースもあります。
重要なのは、
音の通り道や耳の中の空間設計です。
初期段階で必要な「慣れ」とは
一方で、すべてが調整不足というわけではありません。
初期段階では、
- 新聞朗読などの音読練習
- ある程度の声出し
- 補聴器を通した自分の声に慣れる時間
といった聴覚リハビリ的な慣れは必要です。
新聞朗読などの練習の位置づけ
これは「我慢」ではなく、
脳が新しい聞こえ方を学習する過程です。
違和感が強すぎない範囲で、
少しずつ慣れていくことが大切です。
調整だけで改善しないケース
練習や調整を行っても、
- こもり感が強い
- 圧迫感が取れない
- 自声の不快感が続く
このような場合、
調整だけでは限界があります。
物理的変更(シェル形状変更)が必要な理由

この段階では、
補聴器の設定だけでなく
物理的な形状の見直しが必要になります。
具体的には、
- シェル形状の変更
- 空気穴(ベント)を大きく取る
- シェルを短く作成する
- 圧迫・密着を減らす設計に変更
といった対応を行います。
空気穴(ベント)を大きくする目的
空気穴を確保することで、
- 音の抜けが良くなる
- 圧迫感が軽減される
- 体内音のこもりが減る
といった効果が期待できます。
補聴器は、
音の調整と同じくらい「形の調整」も重要です。
実際の対応事例

オーダーメイド補聴器を作成し、
- 調整
- シェル再製作
を行っても、こもり感が改善しないケースがあります。
その場合、
耳掛け型補聴器へ変更することで、
一気に楽になる方も少なくありません。
耳掛け型補聴器は、
- 段階的に使用を発展させやすい
- 調整の自由度が高い
- 聴力変化にも柔軟に対応できる
というメリットがあります。
まとめ|違和感を感じたら相談を
自分の声がこもるのは、
決して珍しいことではありません。
- 我慢しない
- 初期の練習は必要
- 調整で改善を目指す
- それでもダメなら形を変える
補聴器は、
作って終わりではなく、使いながら仕上げていく管理医療機器です。
違和感を感じたら、
一人で悩まず、専門家に相談してください。
よくある質問(Q&A)|補聴器の自分の声のこもりについて
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
補聴器による「自分の声のこもり」について、
実際のご相談で特に多い質問をQ&A形式でまとめました。
ご自身の状況と照らし合わせながらご覧ください。

🎧 ポッドキャストでも関連テーマを解説しています
この記事の内容については、
当店のポッドキャストでも、
実際のご相談をもとに詳しくお話ししています。
- なぜ自分の声が響くのか
- 我慢してはいけない違和感とは
- 調整で解決できるケース・できないケース
👉 「補聴器をつけると自分の声がこもる理由」ポッドキャスト回
※ 文字で読むのが難しい方や、
ご家族と一緒に聞きたい方にもおすすめです。
🔗 次に読む記事・関連コンテンツ(予告版)
補聴器を使い始めて感じる
「自分の声のこもり(オクルージョン効果)」は、
実は調整や形状の工夫次第で改善できるケースが多い症状です。
当店では、同じようなお悩みに対して
以下のような視点で対応しています。
※内容は今後、事例として順次ご紹介予定です。
▶ 耳せん(イヤモールド)の違いで聞こえ方が変わるケース
耳せん(イヤモールド)の素材や形状を見直すことで、
こもり感や圧迫感が軽減し、聞き取りが改善するケースがあります。
(※今後、具体的な事例を記事でご紹介予定です)
▶ オープンフィッティングでこもり感を抑える考え方
補聴器と耳の間に適度な空間(ベント)を確保することで、
自分の声のこもりを軽減できる場合があります。
(※調整の考え方について、後日詳しく解説します)




