大阪で補聴器を選ぶ完全ガイド
元シーメンス社員・認定補聴器専門店代表が、25年以上・1万件以上の相談現場から本音でお伝えします
選び方の基本
補聴器は、「人気」や「おすすめ」だけで選ぶと、後悔することがあります。
大阪で補聴器を探していると、「大阪でおすすめの補聴器店は?」「どのメーカーが一番いい?」「病院の補聴器外来なら安心?」「高い補聴器なら、よく聞こえる?」と、いろいろな情報が出てきます。
しかし、25年以上この仕事に携わってきて思うのは、
私はシーメンス補聴器(現シグニア)に12年間勤務し、補聴器専門店やメガネ店など200店以上を担当してきました。その後、訪問での補聴器調整も経験し、現在は大阪市天王寺区で認定補聴器専門店を運営しています。これまでの補聴器相談は1万件以上になります。
その中で一貫して感じているのは、
このページでは、単なる補聴器ランキングではなく、大阪で補聴器を選ぶときに、どこを見れば後悔しにくいのかを、実際の相談現場からお伝えします。
大阪で補聴器店を選ぶ4つのポイント
先に大きな判断軸だけお伝えします。大阪で補聴器店を選ぶなら、私は少なくとも次の4点を確認します。
- 補聴器について専門的に相談できる体制があるか
- 聴力だけでなく「言葉の聞き取り」まで確認しているか
- 複数メーカーを実際に比較試聴できるか
- 購入後に効果を確認しながら、継続して調整しているか
認定補聴器専門店であることも、大切な判断材料です。ただし、「認定店だから安心」「病院から紹介されたから安心」「有名なメーカーだから安心」――私は、そこだけで決めるのは違うと思っています。
実際に大切なのは、
なぜ補聴器選びは難しく感じるのか
補聴器を検討されている方から、よくこんな話を聞きます。
「情報が多すぎて、何を基準に選べばいいか分からない」
「おすすめランキングを見ても、結局どれが自分に合うのか分からない」
「高いものを買っておけば安心ですか?」
「最新のAI補聴器ならよく聞こえますか?」
こうなるのも無理はありません。補聴器は、見た目やスペックだけで結果が決まる商品ではないからです。
同じ程度の聴力でも、次のようなことによって結果は変わります。
- 言葉をどの程度聞き分けられるか
- 耳の形
- これまで補聴器を使った経験
- 自宅中心なのか、仕事でも使うのか
- 人混みで会話することが多いのか
- どこまでの音量を受け入れられるのか
- どのような音質を好むのか
- そして、補聴器がどう調整されているのか
2014年に『間違いだらけの補聴器選び』を書いた頃から、変わっていないこと
私は2014年に、『間違いだらけの補聴器選び』という本を出版しました。それから10年以上が経ちました。補聴器は大きく進化しています。AI。充電式。Bluetooth。環境認識。騒音抑制。スマートフォンとの連携。当時とは比べものにならないほど、多くの機能が搭載されています。
それでも、相談現場で起きている
多くの場合、機種や機能が先に決まり、その人が本当に何に困っているのか、購入後にどう合わせていくのかが後回しになる。ここからズレが始まります。
だから私は、補聴器を選ぶ前に、まず、その人の聞こえを評価することから始める必要があると考えています。
補聴器選びで本当に大切な3つの視点
1.聴力だけでなく「言葉の聞き取り」を確認する
補聴器相談では、聴力測定を行うことが一般的です。もちろん聴力は重要です。しかし、聴力だけで補聴器の効果を判断することはできません。同じくらいの難聴でも、言葉をどの程度聞き分けられるのかには大きな個人差があります。
実際の相談でも、こういう方は少なくありません。
「声は聞こえる。でも何を言っているか分からない」
音が聞こえることと、言葉が分かることは別です。
だから私は、語音明瞭度なども確認しながら、どの程度まで補聴器で改善が期待できるのかを考えます。高性能な補聴器が意味を持つ方もいれば、価格を大きく上げても期待するほど言葉の聞き取りが変わらない方もいます。だから、高い補聴器=よく聞き取れる補聴器ではありません。
2.「どこで使いたいのか」を先に考える
補聴器は、使用する環境によって必要な性能が変わります。自宅で家族との会話が中心なのか。仕事で会議に参加するのか。人混みの中で会話することが多いのか。
比較的静かな自宅中心であれば、最上位クラスの高度な騒音処理が必ずしも必要とは限りません。逆に、仕事、会議、外食、人混みなどで会話を重視する方では、環境認識や雑音下での処理能力の違いが意味を持つことがあります。会議室など特に聞き取りが難しい場面では、外部マイクなどの補助機器が役立つこともあります。
3.購入後の調整と「効果測定」を見る
補聴器は、購入して終わりの商品ではありません。使い始めると、「外へ出るとうるさい」「家ではいいけれど、会議では聞きにくい」など、いろいろな反応が出てきます。それを確認しながら、少しずつ調整します。
ここで私が重要だと考えているのが、実際に耳の中へどの程度の音が届いているのかを、客観的にも確認することです。当店では、購入後に必要に応じて実耳測定(REM)を行います。ただし、REMをやれば、それですべて解決するとは私は思っていません。
実耳測定は「機械を置けばできる」ものではない
実耳測定は非常に有効な測定方法です。ただ、私自身、実耳測定を導入した当初は苦労しました。プローブチューブの位置。測定結果の読み方。目標値とのズレを、どこまで合わせるのか。
本格的に使えるようになるまで、私は約1年トレーニングしました。だから今でも思います。REMの機械を導入しただけで、補聴器調整がうまくなるわけではありません。
私は、必要最小限の音量で、できるだけ最大限の聞き取りを得ることを一つの目標にしています。数値だけを追いかけて、本人がしんどくなってしまっては意味がありません。逆に、客観的な確認を一切しないのも違うと思っています。数値と本人の反応、その両方を見る。それが大事です。
補聴器を何度調整しても合わない方へ(実耳測定の考え方)
→ 詳しくはこちらの記事で解説しています実耳測定を補聴器調整に活かすために知っておきたいこと
→ 実耳測定を導入しただけでは意味がない理由メーカー・店選びの視点
補聴器は「どこで買うか」で結果が変わります
これは、長年この仕事をしていて強く感じます。同じメーカー。同じ機種。同じ価格帯。それでも、誰がどう合わせるかで結果は変わります。
補聴器には、相談から評価、比較試聴、調整、効果測定、微調整まで、いくつもの過程があります。つまり、補聴器は「箱に入った商品を売る仕事」ではないということです。
だから店を選ぶときは、次のようなことを確認した方がいいと思います。
- 実際に誰が担当するのか
- 聴力以外の評価も行っているか
- 試聴する時間を取っているか
- 複数メーカーを比較できるか
- 購入後の調整を前提にしているか
- 効果測定を行っているか
- 困ったときに継続して相談できるか
認定補聴器専門店は一つの目安。ただし、それだけでは決めない
認定補聴器専門店は、補聴器の測定や調整に必要な設備、専門性など、一定の基準を満たした店舗です。初めて補聴器を選ぶ方にとっては、最低限、専門性や設備を確認する一つの目安になります。
私自身も認定補聴器専門店を運営しています。ただ、それでも私は、「認定されているから大丈夫」で終わらせない方がいいと思っています。
認定証が補聴器を調整してくれるわけではありません。最終的には「人」です。
「取扱メーカーが多い」=「比較できる店」とは限らない
ホームページを見ると、「シグニア、フォナック、オーティコン、リサウンド、スターキー……」と多くのメーカー名が掲載されている店があります。
ただし、取扱メーカーとして名前が掲載されていることと、実際にその場で複数メーカーをフラットに比較試聴できることは別です。メーカーとの関係性や店舗ごとの販売方針によっては、結果的に特定メーカーの取り扱いが中心になっている場合もあります。
メーカー直営店やメーカー系列色の強い店舗であれば、自社メーカーを中心に提案するのは自然なことです。それ自体が悪いわけではありません。ただ、複数メーカーを比較したい方にとっては、選択肢が限られることがあります。
人混み・騒音下|主要メーカーの考え方を比較
メーカーについては、どこが一番いいかではなく、何を重視しているかで見る方が分かりやすいと思います。
| メーカー | 騒音下での考え方 | 比較するときに見るポイント |
|---|---|---|
| リサウンド | 周囲の音環境全体を捉え、状況に応じて音を調整する考え方 | 雑音下での安定感、移動時の聞こえ |
| オーティコン | 音を広く取り込み、整理しながら会話を成立させる設計思想 | 人の多い場所での自然さ、会話とのバランス |
| スターキー | 環境変化を検知しながら、聞き取りを補助する方向性 | 屋外・移動時の聞こえ、疲れ方 |
| フォナック | 幅広い環境を想定し、自動的に音を切り替える設計 | 環境が頻繁に変わる場面での追従性 |
| シグニア | 周囲全体よりも、会話の輪郭や明瞭さを重視する考え方 | 人混みの中で会話をどう残すか |
この表はメーカーの優劣を決めるものではありません。実際の聞こえ方は、聴力・語音明瞭度・耳の形・調整・使用環境・本人の好みによって変わります。だから最終的には、実際に聞き比べる。これが一番です。
充電式補聴器は「補聴器本体」だけ見てはいけない
今は充電式補聴器がかなり増えています。ただし、充電式=全部同じではありません。私は比較するとき、補聴器本体だけでなく、充電器まで見てくださいとお伝えしています。
比較するときに見ておきたいのは、たとえばこういう点です。
- 本体の大きさ
- 充電方式
- 充電器の重さ
- 蓄電タイプか
- 旅行へ持ち運びやすいか
- 耳あな型の場合、充電方式によって本体がどこまで大きくなるか
実際に充電器を手に持って、「これは旅行のとき持って行きたくないな」という方もいます。スペック表だけでは、こういうところは分かりません。
主要メーカーの特徴
シグニア
会話の輪郭や言葉の明瞭さを重視する方向性が特徴。充電式の選択肢も多く、耳かけ型から小型CICまで幅がある。会話を重視する方で候補になりやすい。
スターキー
耳あな型の小型化を重視する場合に比較することが多い。「できるだけ目立たせたくない」という希望が強い方で候補になる。
オーティコン
音の自然さを好まれる方で合うことがある。周囲の音を広く捉えながら整理する考え方。蓄電式充電器は重量があるため携帯性も見ておきたい。
耳かけ型は小型で装用感を重視しやすい。耳あな型充電式はやや大きくなるモデルも。耳型に合わせたオーダーメイド受け口タイプもある。
フォナック
幅広い環境で自動的に音を切り替える考え方が特徴。過去に長く使用してきた方には、無理にメーカーを変えない方が良いことも。価格帯は比較的高め。
その他のメーカー
ワイデックス、ベルトーンなどにも良い製品はある。ただし転居後の修理・調整対応まで考えると、市場シェアが一定以上あるメーカーを選ぶ安心感もある。
日本で流通する補聴器メーカーについては、こちらのページでも紹介しています。
病院・耳鼻科との付き合い方
補聴器外来なら安心?私はそこも分けて考えます
まず大前提として、難聴の原因を調べ、治療が必要かどうかを判断するのは耳鼻科の役割です。急に聞こえが悪くなった。片耳だけ急に悪くなった。耳鳴りが強い。こうした場合は、補聴器より先に耳鼻科です。ここは迷うところではありません。
一方で、「補聴器を実際にどう選び、どう生活に合わせていくか」については、医療機関と補聴器販売店では役割や進め方が異なります。これは医療機関の良し悪しを論じる話ではなく、それぞれの役割を知っておいた方がよいという意味です。
そのため私は、「病院だから安心」と考えるより、実際にどのような流れで補聴器を選び、購入後は誰が調整を担当するのかを確認することが大切だと思っています。
- 補聴器の調整を実際に誰が担当するのか
- 次回以降も同じ担当者に相談できるのか
- 複数メーカーを比較できるのか
- 購入後の効果測定をどのように行うのか
「病院で買う」ではなく、「誰が補聴器を合わせるのか」を見る
耳鼻科では、医師が診察を行い、医学的に難聴の状態を確認します。その後の補聴器の選定や調整については、医療機関によっては補聴器販売店やメーカー担当者などが連携して対応する場合があります。
補聴器は、一回調整して終わりではありません。むしろ、使い始めてからがスタートです。
加齢性難聴なら、耳鼻科と販売店の役割を分けて考える
加齢性難聴は、基本的に治療で元の聴力へ戻るものではありません。だから私は、まず耳鼻科へ行く。できれば補聴器に詳しい補聴器相談医へ相談する。治療を優先すべき病気ではないことを確認する。
そのうえで補聴器が必要なら、購入先は自分で選ぶ。病院から販売店を紹介されることもありますが、
補聴器は、その後何年も使います。何度も調整します。だから購入先は、自分が長く相談できると思える相手を選んだ方がいい。私はそう考えています。
いちばん大切なのは「相談できる相手」
補聴器を使い始めると、聞こえ以外にもいろいろな相談が出ます。耳が痛い。ハウリングする。スマートフォンにつながらない。旅行へ持って行きたい。仕事環境が変わった。長く使うものだからこそ、生活の変化まで相談できる相手が必要です。
補聴器について、もう少し基礎から整理したい方は
▶︎ 初めての方のための補聴器ガイド
もあわせてご覧ください。
まとめ・制度・Q&A
大阪で補聴器店を探すなら、私ならこう探します
初めて補聴器店を探すなら、まず近隣の認定補聴器専門店を確認する。日本補聴器販売店協会加盟店 大阪近郊エリア店舗はこちら
そのうえでホームページを見て、誰が担当しているのか。複数メーカーを扱っているのか。実際に比較試聴できるのか。購入後に効果測定をしているのか。を見る。
大阪で使える補助制度・医療費控除
大阪市では一定の条件を満たす高齢者を対象に、補聴器購入費の助成制度があります。重要なのは、購入前に申請すること。先に購入してしまうと利用できない制度があります。
また、補聴器相談医による所定の手続きを行うことで、補聴器購入費が医療費控除の対象になる場合があります。補聴器本体は医療機器のため、消費税は非課税です。
制度については変更されることがありますので、必ず国税庁の公式見解および日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の解説もご確認ください。
大阪の補聴器補助金については、こちらのページで詳しくまとめています。
価格だけで選んだ結果、使われなくなる補聴器もあります
実際の相談で少なくないのが、価格を優先して購入したものの、ほとんど使わなくなったというケースです。
- 調整が十分に行われなかった
- 外へ出るとうるさかった
- 困っても相談しにくかった
外出時に行いたい補聴器の試聴チェック Q&A
Q1.外出用の補聴器は、何を一番確認すればいいですか?
A.「どれだけ静かになるか」ではなく、「聞きたい会話が残るか」を確認してください。雑音が減ったから良い補聴器、とは限りません。
Q2.店内での試聴だけで判断できますか?
A.難しい場合があります。道路。駅。人混み。では、印象が変わります。可能なら、店外でも確認してみてください。
Q3.自動調整があれば、外出でも安心ですか?
A.万能ではありません。音の感じ方や会話の聞き取りには個人差があります。最後は実際に使って確認する必要があります。
Q4.会話は聞こえるけれど、周囲の音がうるさく感じます
A.使い始めでは起こることがあります。一度に全部下げるのではなく、何がうるさいのかを整理して調整した方が良いと思います。
Q5.外出時の試聴で避けたい判断はありますか?
A.次のような決め方は、私はおすすめしません。
- 一度の試聴だけで決める
- 「一番静かだった」という理由だけで選ぶ
- 一社だけ聞いて決める
Q6.外出時だけ合わない場合は、補聴器自体を変える必要がありますか?
A.すぐ買い替える必要があるとは限りません。「外では聞きにくい」ではなく、具体的な場面を担当者に伝えることをおすすめします。
まとめ|「おすすめの補聴器」より「誰に相談するか」
大阪には多くの補聴器店があります。だからこそ、最初から「一番おすすめの補聴器は何?」と探すと迷います。私は、順番を変えた方がいいと思っています。
補聴器選びに、万人共通の正解はありません。だからこそ、「おすすめの補聴器」を探すより、自分の聞こえを一緒に評価し、必要な補聴器を一緒に探し、購入後まで付き合ってくれる相手を探す。私は、それが補聴器選びで後悔を減らす一番の近道だと考えています。





