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補聴器を買って後悔する人の共通点5つ

  1. ホーム(The補聴器専門店中村)
  2. 補聴器を買って後悔する人の共通点5つ
私たちが最初にお伝えしていること

補聴器を買って後悔する人の共通点5つ

補聴器を買って後悔する人の共通点5つ

「せっかく買ったのに、結局しまったまま」
補聴器では、決して珍しい話ではありません。

この記事では、相談の現場で見てきた
「後悔しやすい人の共通点」を、先に正直にお伝えします。

結論からお伝えします

先に正直に言います。

次のような方は、補聴器を買っても後悔しやすい傾向があります。

できるだけ早く、簡単に解決したい
高い=よく聞こえると思っている
店に行けば「何とかしてくれる」と期待している
家族や周囲に強く勧められて来店している
調整は1〜2回で終わると思っている

これは能力や努力の問題ではありません。

「補聴器という道具の特性」と「人の期待」が噛み合っていないだけです。

補聴器への期待と実際のギャップ
この記事でお伝えする5つの共通点
01「高い補聴器なら失敗しない」と思っている 02試聴の印象だけで判断してしまう 03調整はすぐ終わると思っている 04家族主導で進んでいる 05「合わなかったら買い替えればいい」と思っている
共通点 01

「高い補聴器なら失敗しない」と思っている

価格よりも耳の状態・調整・慣れの方が重いことを表した天秤のイラスト
価格より、耳の状態・調整・慣れの方が”重い”

これは本当に多い誤解です。

実際には、

両耳で100万円を超える補聴器 最新機種・最上位モデル

でも、

合わない人は、合いません。

理由は単純で、補聴器は「性能」よりも
耳の状態・調整・慣れのプロセスに強く左右されるからです。

価格は「失敗しない保証」ではありません。

研究による補足

海外研究でも、価格や技術レベルだけで結果が決まるわけではないことが示されています。

2025年に発表されたランダム化比較試験では、55歳を超える軽度〜中等度難聴で、補聴器を初めて使う方を対象に、高機能機と低機能機、そして補聴器の提供方法(専門家がフィッティングする方法と、市販の補聴器を本人が使う方法など)を組み合わせて比較しました。

その結果、技術レベルの違いだけでは、主要な評価項目に明確な差は認められませんでした。一方、専門家がベストプラクティスに基づいてフィッティングを行った方法では、市販の補聴器を本人が使う方法より良い結果が確認されています。

出典:Wu YH, et al. Hearing Aid Service Models, Technology, and Patient Outcomes: A Randomized Clinical Trial. JAMA Otolaryngol Head Neck Surg. 2025.(軽度〜中等度難聴・補聴器未経験者が対象)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40372746/

つまり、
「高い補聴器を選ぶこと」と「自分に適切に合わせてもらうこと」は、分けて考える必要があります。

共通点 02

試聴の印象だけで判断してしまう

静かな店内での試聴と、騒がしい食堂での聞こえの違い

試聴時に、こう言われる方がいます。

「あ、よく聞こえますね。
これなら大丈夫そう」

ですが、ここが落とし穴です。

試聴のとき
店内は静か
短時間
集中して聞いている
実生活では
雑音
長時間使用
疲労

試聴の条件での「聞こえる」は、
日常生活の聞こえとは別物です。

実生活での雑音・長時間使用・疲労。
これを経て初めて「合う・合わない」が見えてきます。

試聴で分かるのは、あくまで「入口」です。

共通点 03

調整はすぐ終わると思っている

補聴器は数か月かけて段階的に仕上げていくことを表した階段のイラスト
補聴器は、
買って終わりの商品ではありません。

多くの場合、

1
初期調整
▼
2
微調整
▼
3
聞こえの慣れ
▼
4
生活環境の変化

これを踏まえながら、
複数回・数か月かけて仕上げていく道具です。

研究による補足

補聴器を使い始めたあとの「慣れ」についても研究されています。

2025年のシステマティックレビューでは、新しく補聴器を使い始めた成人の「聴覚順応(auditory acclimatization)」について、これまでの研究を体系的に検討しています。

その結果、順応による変化はすべての人・すべての評価項目に一様に現れるわけではなく、効果も全体としては大きくありませんでした。

一方、変化が認められる場合には、装用開始後の最初の3〜12週間が比較的起こりやすい時期と報告されています。

出典:Wentzel C, Swanepoel DW, et al. Auditory Acclimatization in New Adult Hearing Aid Users: A Registered Systematic Review of Magnitude, Key Variables, and Clinical Relevance. J Speech Lang Hear Res. 2025.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12263186/

そのため当店でも、「慣れれば大丈夫」と一律に考えるのではなく、
実際の生活で使っていただきながら、聞こえ方や使用状況を確認し、必要に応じて調整を重ねています。

「1回で完成」
「2回通えば大丈夫」

そう考えていると、
途中で必ず不満が出ます。

共通点 04

家族主導で進んでいる

家族に補聴器を勧められ、浮かない表情の高齢男性

ご本人よりも、

ご家族が困っている 周囲に勧められている

このケースも要注意です。

補聴器は、本人が
「使う気」にならないと成立しません。

── 相談の現場で、私が見てきた実感です。

研究による補足

補聴器の結果には、聴力だけでなく「本人の準備や期待」も関係します。

初めて補聴器を使う成人30人を対象とした研究では、装用前の「補聴器への期待」と「聞こえを改善しようとする準備状態」が、その後の満足度や効果と関連していました。「自分で補聴器を扱えるという感覚(自己効力感)」は、満足度と関連していました。

一方で、この研究では聴力の程度そのものは、結果と関連していませんでした。

また別の研究では、初めて補聴器を使う方の装用前の期待は、平均的に見ると現実より高めになりやすいことも報告されています。

出典:Ferguson MA, et al. The impact of self-efficacy, expectations, and readiness on hearing aid outcomes. Int J Audiol. 2016.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27266542/
Cox RM, Alexander GC. Expectations about hearing aids and their relationship to fitting outcome. J Am Acad Audiol. 2000.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10976498/

つまり、聴力測定の結果だけを見て
「必要だから使いましょう」と進めればよいわけではありません。

当店が、ご家族だけで話を進めるのではなく、
まずご本人にも補聴器について理解・納得していただくことを大切にしている理由の一つです。

「聞こえないから仕方なく」
「周りに言われたから」

この状態では、
どんな補聴器でも後悔につながりやすくなります。

ご家族の方へ

ご家族が困っていることも、まぎれもない事実です。
だからこそ、無理に買わせるのではなく、まずはご本人と一緒に話を聞きに来てください。

ご本人が納得してから始めるほうが、結果的に近道になります。

共通点 05

「合わなかったら買い替えればいい」と思っている

買い替えを繰り返し、引き出しに何台も眠っている補聴器のイラスト

これは現場では、かなり危険な考え方です。

1
合わなかった原因が分からないまま
▼
2
次の補聴器に進む
▼
3
また同じ壁にぶつかる
↺ そしてまた、最初に戻る

結果として、

・補聴器を何台も持つ
・「補聴器はダメ」という印象だけが残る

という方を、私たちは何人も見てきました。

補聴器がうまくいかない原因は、補聴器だけとは限りません

補聴器以外にある原因を虫眼鏡で探すイラスト

ここまで「補聴器を買って後悔しやすい人の共通点」をお伝えしてきました。

ただ、実際の相談現場では、
補聴器の性能や価格、調整だけでは解決できないケースもあります。

「もっと高い補聴器なら聞こえるのではないか」
「メーカーを変えれば何とかなるのではないか」
「もう一度調整すれば改善するのではないか」

そう考えて補聴器を何台も買い替えたり、販売店を何店も回ったりしても、

問題の原因そのものが別にあれば、同じことを繰り返してしまいます。

実際に私がこれまで対応してきた事例をもとに、
補聴器がうまくいかないときに、一度立ち止まって考えてほしいことを別の記事にまとめました。

あわせて読みたい 補聴器がうまくいかない人へ|問題は本当に補聴器だけでしょうか? 記事を読む →

「調整した」だけでなく、「合っているか確認する」

補聴器は、調整ソフトの画面上で設定すれば、
それで終わりではありません。

同じ補聴器・同じ設定でも、
実際に耳の中で得られる音響特性には個人差があります。

調整ソフトの画面
平均的な耳を
前提にした予測
実耳測定
その人の耳の中の
実際の音を測る

そのため当店では必要に応じて実耳測定(REM:Real Ear Measurement)を用い、実際の耳の中で補聴器の出力を測定し、処方式の目標にどの程度合っているかを確認しています。

研究による補足

実耳測定については、海外でもシステマティックレビューとメタ解析が行われています。

メーカーの初期設定と比較した研究では、実耳測定を用いて処方式の目標に合わせたフィッティングの方が、静かな環境での語音明瞭度、雑音下での語音明瞭度、自己評価による聞こえ、最終的なユーザーの選好で、統計的に良い結果が報告されています。

ただし、研究数・参加者数はまだ限られており、すべての結果について臨床的にどの程度大きな差なのかは、今後の研究が必要とされています。

出典:Almufarrij I, Dillon H, Munro KJ. Does Probe-Tube Verification of Real-Ear Hearing Aid Amplification Characteristics Improve Outcomes in Adults? A Systematic Review and Meta-Analysis. Trends Hear. 2021.(6研究を対象、うち5研究をメタ解析)
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8083001/

だからこそ当店では、

「高い補聴器を選んだから大丈夫」ではなく、
実際にその人の耳にどう入っているかを
確認することを大切にしています。
実耳測定(REM)について詳しく知る 補聴器を何度調整しても合わない──それは「測っていない」からかもしれません 記事を読む → 処方式と実耳測定について 補聴器の処方式が15年ぶりに変わった。それでも私が「耳の中の音」を測り続ける理由 約15年ぶりに登場した新しい処方式NAL-NL3と、処方式が進化しても実耳測定による確認が必要だと当店が考える理由を解説しています。 記事を読む →

それでも補聴器を検討するなら

後悔を減らすために、
最低限、次の条件が必要です。

調整に時間がかかることを理解している
分からないことをその都度確認できる関係を作る
合わない可能性も含めて相談できる
「売らない判断」をしてくれる店を選ぶ

私たちは、この前提が共有できない場合、販売をお断りすることがあります。

後悔する方を、一人でも減らしたいからです。

最後に

落ち着いた雰囲気で補聴器の相談を受ける様子

補聴器で後悔する人は、
決して少数ではありません。

「すぐ買う」よりも
「まず知る」ことが大切です。

もしここまで読んで、

考え方が合いそう
時間をかけて向き合えそう

そう感じた方だけ、ご相談ください。

●無理に勧めることはありません。

●合わないと判断した場合は、正直にお伝えします。

実例 ② 高額でも合わない実例 両耳100万円の補聴器でも合わなかった実例と、その理由 記事を読む → 当店の考え方 ③ 当店が補聴器の購入をお断りしたケース 当店が販売をお断りする理由について 記事を読む →

参考文献

1.Wu YH, Stangl E, Branscome K, Oleson J, Ricketts T. Hearing Aid Service Models, Technology, and Patient Outcomes: A Randomized Clinical Trial. JAMA Otolaryngol Head Neck Surg. 2025;151(7):684-692.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40372746/
2.Wentzel C, Swanepoel DW, et al. Auditory Acclimatization in New Adult Hearing Aid Users: A Registered Systematic Review of Magnitude, Key Variables, and Clinical Relevance. J Speech Lang Hear Res. 2025;68(7):3445-3479.https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12263186/
3.Ferguson MA, Woolley A, Munro KJ. The impact of self-efficacy, expectations, and readiness on hearing aid outcomes. Int J Audiol. 2016;55(sup3):S34-S41.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27266542/
4.Cox RM, Alexander GC. Expectations about hearing aids and their relationship to fitting outcome. J Am Acad Audiol. 2000;11(7):368-382.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10976498/
5.Almufarrij I, Dillon H, Munro KJ. Does Probe-Tube Verification of Real-Ear Hearing Aid Amplification Characteristics Improve Outcomes in Adults? A Systematic Review and Meta-Analysis. Trends Hear. 2021;25.https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8083001/
ご予約はこちらから(24時間稼働中)空き状況も確認できます。
📌初回相談・ご予約に関する大切なお知らせ

当店の初回相談は【90分・5,000円(税込)】の有料相談です。

補聴器は購入後も継続的な調整が必要なため、通いやすさをご確認のうえご予約ください。
また、可能でしたらご家族の方と一緒にご来店ください。

電話によるお問合せはこちらTEL06-4305-7904(受付平日9:00-18:00)
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