100万円の補聴器なら、もっと言葉が聞き取れる?
購入前に知ってほしい「語音明瞭度」の話
「もっと高い補聴器にすれば、言葉が聞き取れるようになりますか?」
補聴器の相談をしていると、よく聞かれる質問です。
最近の補聴器には、雑音抑制、指向性、音声強調など、さまざまな機能が搭載されています。
価格も両耳で30万円、50万円、80万円、最上位になると100万円を超えるものまであります。

では、100万円の補聴器を選べば、言葉の聞き取りも大きく改善するのでしょうか。
必ずしもそうではありません。
補聴器の価格やメーカーを比較する前に、私はまず確認してほしいことがあります。
それが、
「今、自分にはどれくらい言葉を聞き分ける力があるのか」
です。
この力を確認する検査の一つが、語音明瞭度検査です。

実際に当店で語音明瞭度検査を行っている様子は、以下の動画でご覧いただけます。
私は補聴器業界に25年間携わり、これまで1万人以上の相談を受けてきました。

その中で、
「もっと性能のいい補聴器なら聞こえるのではないか」
と、ご自身の聞き取り能力を確認しないまま、メーカーや価格、機種ばかりを調べ続けている方を何人も見てきました。
今回は、補聴器の性能で改善できることと、機械だけでは解決できないことについて、実際の相談事例も交えながらお話しします。
「聴力が悪い」と「言葉が分からない」は同じではありません
私はお客様に説明するとき、よくメガネに例えます。
視力が下がっていても、適切なメガネをかけることで見え方が改善する方がいます。
補聴器も似ています。
聞こえる音が小さくなっていても、適切な音量を届けることで、言葉が分かりやすくなる方がいます。
ところが、言葉を聞き分ける力そのものが低下している場合は少し違います。
メガネの度数を上げても、あるところから先ははっきり見えない。
それに近い状態です。
つまり、
「音が聞こえること」と「言葉が分かること」は別です。
ここを区別せずに補聴器の性能だけを比較すると、
「高い補聴器を買ったのに、思ったほど言葉が分からない」
ということが起こります。
語音明瞭度40%の人が100万円の補聴器を使えば、60%になるのか
例えば、語音明瞭度が40%だったとします。
「100万円の最高クラスの補聴器なら、60%、70%まで聞き取れるようになりますか?」
と聞かれたら、私はそういう説明はしません。
語音明瞭度40%の方が、高額な補聴器を購入しただけで60%になるわけではないからです。
では、高性能な補聴器には意味がないのでしょうか。
これも違います。
例えば、静かな部屋では40%の力を発揮できる方でも、周囲に雑音が入ると、さらに聞き取りにくくなることがあります。
そこで、
- 雑音を抑える
- 聞きたい方向の音声を捉える
- 会話音を強調する
といった機能が役立つ場合があります。
つまり高性能な補聴器の役割は、
40%を60%に変えることではなく、条件が悪くなったときにも、その方が持っている聞き取り能力をできるだけ発揮できる環境を作ること
と考えた方が分かりやすいと思います。
ここには、高性能な補聴器を選ぶ意味があります。
しかし、そのために50万円、80万円、100万円をかける価値があるのか。
それは、語音明瞭度だけでなく、生活環境や補聴器に何を求めるのかまで確認して判断する必要があります。
語音明瞭度は何%あれば補聴器の効果を期待できる?
語音明瞭度は、数字だけで補聴器の効果を決められるものではありません。
同じ50%でも、
- どの言葉を間違えているのか
- あと少し音のヒントがあれば分かるのか
- 左右でどの程度差があるのか
- どの音量で最も聞き取れているのか
- 普段どのような環境で会話するのか
によって、補聴器の選び方は変わります。
その前提で、私はおおよそ次のように考えています。
70%以上:補聴効果を期待しやすい
基本的に、補聴器による聞き取り改善を期待しやすい状態だと考えています。
特に80〜90%ある方を見ると、私はむしろ、
「この力を大切にしてほしい」
と思います。
高額な補聴器を購入しても、80%、90%という語音明瞭度そのものを買うことはできません。
今持っている言葉を聞き分ける力は、それだけ大切なものです。
「まだ困っていないから」と何年も先延ばしにするのではなく、聞こえにくさを感じ始めた段階で、一度自分の状態を知っておくことをおすすめします。
50〜60%:限界はあるが、改善の余地がある
補聴器をつければ何でも聞き取れる、という状態ではありません。
一方で、
「サ」と「カ」など、あと少し音のヒントがあれば聞き分けられる方もいます。
このような場合には、音声強調などが得意な補聴器によって、聞き取りやすくなる可能性があります。
静かな場所での日常会話であれば、十分に楽になる方もいます。
だから私は、
50%だから駄目、60%だから大丈夫
という数字だけの判断はしません。
何をどのように聞き間違えているのかまで確認します。
40%前後:高性能機種でもできることには限界がある
私の感覚では、黄色信号から赤信号へ入り始めている状態です。
高性能機種を選べばすべて解決する、とは説明できません。
だからといって、補聴器を使う意味がないわけでもありません。
可能であれば予算の範囲で両耳装用を優先し、現在持っている聞き取り能力をできるだけ生活の中で活用する方法を考えます。
高性能機種を検討する場合も、
40%を60%にするためではなく、騒音下など条件が悪い場所でも、本来持っている力をできるだけ発揮する
という目的で考えます。
20%前後:補聴器以外の方法も組み合わせる
この段階になると、補聴器だけですべての会話を補うことにはかなり限界があります。
その場合は、
- 相手の口元を見る
- ゆっくり、はっきり話してもらう
- テレビでは字幕を使う
- 音声認識・文字起こしアプリを併用する
- ご家族や周囲の方にも協力してもらう
など、音だけでなく視覚情報や文字情報も組み合わせます。
大切なのは、
補聴器だけですべてを解決しようとしないこと
です。
実際に、これまで集音器を使用していた耳より、反対側の耳の方が語音明瞭度が高かったケースもあります。装用する耳を見直し、予算も考慮しながら補聴器を選んだ事例をご紹介しています。
語音明瞭度が40%以下で、補聴器への期待が高い場合に考えること
補聴器を検討する前には、まず耳鼻咽喉科を受診し、難聴の原因や治療の必要性がないかを確認していただくことが基本です。
そのうえで、語音明瞭度が40%以下で、
「もっと高い補聴器なら、かなり聞き取れるようになるのではないか」
「仕事や会議でも、以前と同じくらい聞き取りたい」
など、補聴器に求める改善が大きい場合には、私は一度立ち止まって考えるようにしています。
高額な補聴器へ買い替えることだけが、次の選択肢とは限らないからです。
聴力の程度や補聴器を装用した状態での聞き取りなどによっては、人工内耳を含めた医療側の選択肢を検討できる場合もあります。
ただし、ここで非常に重要なのは、
「語音明瞭度が40%以下だから、人工内耳の対象になる」という意味ではない
ということです。
人工内耳の適応は「語音明瞭度だけ」では決まりません
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の成人人工内耳適応基準(2017年版)では、聴力について次のいずれかに該当する場合が基準として示されています。
- 裸耳の平均聴力レベル(500Hz・1000Hz・2000Hz)が90dB以上の重度感音難聴
- 平均聴力レベルが70dB以上90dB未満で、適切に補聴器を装用したうえで、補聴器装用下の最高語音明瞭度が50%以下の高度感音難聴
つまり、
聴力レベルと、補聴器を適切に装用した状態での聞き取りを含めて評価する
ものであり、語音明瞭度の数字だけで判断するものではありません。
例えば、中等度難聴で語音明瞭度だけが低いからといって、この基準だけを見て人工内耳の対象になるということではありません。
また、後迷路性病変や中枢性聴覚障害、認知機能など、慎重な判断が必要とされる状態もあります。
人工内耳が適応になるかどうかを補聴器販売店で判断することはできません。
人工内耳については、人工内耳を扱う医療機関・専門外来で、医師による医学的な評価と総合的な判断が必要です。
当店としてできるのは、
「さらに高い補聴器を探し続けることが本当に適切なのか」
というところで一度立ち止まり、必要であれば医療側の次の選択肢があることをお伝えするところまでです。
補聴器でできること。
補聴器だけでは難しいこと。
必要であれば医療へつなぐこと。
私は、この線引きも補聴器相談の重要な役割だと考えています。
なぜ「音を大きくするだけ」では言葉が分かるようにならないのか
ここまでお話ししてきたことは、私が25年間の補聴器相談を通して感じてきた経験だけの話ではありません。
聴覚学では、難聴を単純に「音が小さく聞こえる状態」だけでは捉えません。
Stanley A. Gelfandらによる『Essentials of Audiology』でも、聴力の評価だけでなく、Speech Audiometry(語音聴力検査)、speech perception(音声知覚)、補聴器や人工内耳を含む聴覚管理について体系的に扱われています。
また、補聴器フィッティングの代表的な専門書の一つであるHarvey Dillonの『Hearing Aids』では、単純な増幅だけでなく、指向性マイクやデジタル信号処理など、実際の聞き取りを支えるさまざまな技術が扱われています。
つまり、
「どれだけ音を大きくするか」だけでは、補聴器の効果は決められない
ということです。
補聴器には、残っている聞き取り能力をできるだけ生かすためにできることがあります。
例えば、
- 指向性によって聞きたい方向の音を捉える
- 雑音の影響を抑える
- 会話音を強調する
- ワイヤレスマイクを使い、話し手の声を補聴器へ届ける
といった方法です。
だから、
語音明瞭度が低い=高性能な補聴器は意味がない
という結論にもなりません。
大切なのは、高性能な補聴器によって「聞き取り能力そのものを買う」のではなく、
今ある聞き取り能力を、実際の生活の中でどこまで生かせるか
という視点で機種や機能を選ぶことです。
語音明瞭度が低いほど、音量を上げればいいわけではありません
「聞こえないなら、もっと音を大きくすればいい」
と思われるかもしれません。
しかし、実際の補聴器調整はそれほど単純ではありません。
出力を上げれば、確かに聞こえてくる音の量は増えます。
ところが、情報量が増えすぎることで、かえって言葉が分かりにくくなる方もいます。
さらに、
「うるさい」「響く」「自分の声が大きすぎる」「音が割れて聞こえる」
となり、補聴器そのものを使えなくなってしまえば意味がありません。
そのため当店では、
必要最小限の音量で、できるだけ聞き取りを引き出すこと
を重視しています。
必要に応じて大きな音を抑える出力制限なども使いながら、その方が日常生活で受け入れられるポイントを探します。
また、補聴器購入後には、実際に耳の中へどの程度の音が届いているのかを確認することも重要です。
実耳測定を含む調整については、こちらの記事で詳しく解説しています。
補聴器を何度調整しても合わない方へ
実例① 最高クラスの補聴器でも「もっと聞き取れるようにしてほしい」
最近、90歳前後の方から相談を受けました。
他店で購入された補聴器を使用されていましたが、
「もっと聞き取れる補聴器にならないか」
というご相談でした。
お持ちだったのは、決して安い補聴器ではありません。
二世代ほど前とはいえ、当時の最高クラスの機種でした。
聴力は中等度難聴。
ところが、言葉の聞き取りは50%弱まで低下していました。
さらに必要な出力を入れようとすると、
「自分の声が響く」「音が割れる」「雑音が多い」
と感じられます。
そこでイヤーモールドを作成し、低音域を含めて必要な音を届けられるよう再調整しました。
聞き取りには改善が見られました。
それでも、ご本人が受け入れられる音量との間には壁があります。
現在は別メーカーの上位機種も試しています。
目的は、
「最高機種なら何とかなる」ことを確認するためではありません。
自分の声を抑える機能によって、これまで越えられなかった音量の壁を越えられるか。
雑音抑制によって、騒音下でも本来持っている聞き取り能力をもう少し発揮できるか。
音声強調によって、あと少しの言葉のヒントを届けられるか。
一つずつ確認するためです。
補聴器で改善できる部分は、まだ探します。
しかし、補聴器だけで若い頃の聞こえに戻すことはできません。
「補聴器って難しいんですね」で終わってほしくない
こうした調整をしていると、
「補聴器って難しいんですね」
と言われることがあります。
しかし、私はそこで終わってほしくありません。
問題をすべて補聴器側に置いてしまうと、
「もっといいメーカーなら」
「もっと高い補聴器なら」
「もっと違う補聴器店なら」
と、次の補聴器を探し続けることになるからです。
補聴器で改善できることはあります。
同時に、現在その方自身がどれくらい言葉を聞き分けられるのかという部分もあります。
だからこそ、補聴器を選ぶ前に自分の現在地を知ることが大切なのです。
実例② 語音明瞭度が低くても、最高クラスを提案した80代の方
一方で、
「語音明瞭度が低いなら、高い補聴器は必要ない」
という考え方も違います。
以前、80代で現役の医師をされている方を担当したことがあります。
片耳の語音明瞭度は20%弱。もう一方は70%程度ありました。
仕事で会議に参加する必要があり、聞き取りは非常に重要です。
私は、20%弱の耳へ無理に情報を入れるより、70%程度残っている耳を中心に使うことを考えました。
ただし、片耳に情報を集中させると、周囲の雑音によって会話が邪魔されやすくなります。
そこで最高クラスの補聴器を提案しました。

さらに反対側からの会話を補うため、ワイヤレスマイクも併用しました。
結果として会話がスムーズになり、大切な会議を乗り越えることができたと喜んでいただきました。
この方に高性能機種を提案した理由は、
「高いからよく聞こえる」からではありません。
仕事という使用環境と、残っている70%程度の聞き取り能力をできるだけ生かすために、その機能が必要だったからです。
高い補聴器より、両耳装用やワイヤレスマイクを優先することもあります
反対に、両耳とも語音明瞭度が低い方なら、最高クラスを片耳だけ購入するより、
価格帯を下げて両耳装用を優先する
ことがあります。
さらに、騒がしい場所や離れた相手との会話が重要なら、高額機種へ予算を集中させるのではなく、ワイヤレスマイクを追加する方法もあります。

相手の近くにマイクを置けば、周囲の雑音の影響を受けにくい状態で話し手の声を補聴器へ届けることができます。
補聴器選びは、
「予算が50万円だから50万円の機種を選ぶ」
というものではありません。
何に困っているのか。どの程度の語音明瞭度があるのか。両耳に予算を使うべきなのか。雑音抑制が必要なのか。ワイヤレスマイクを使った方がいいのか。
そこから逆算して考えるべきだと思っています。
補聴器の価格帯によって何が違うのか、自分に必要な価格帯をどう考えるのかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
補聴器の価格・相場はいくら?30万円・50万円・80万円・100万円の違い
「私は聞こえている」という方ほど、一度確認してほしい
25年間この仕事をしていて、気になることがあります。
ご家族から、「聞こえていないんじゃない?」と言われても、「私は聞こえている」と言って、そのままにされる方です。
本人には音が聞こえています。テレビも、音量を上げれば聞こえます。家族との会話も成立しているように感じます。
しかし、その裏でご家族が、
大きな声で、ゆっくり、何度も言い直している
ことがあります。
本人には、その努力が見えていないことがあります。
「声が聞こえた」と「言葉を正確に聞き取れた」は同じではありません。
テレビも「聞こえている」と思っていても、周囲の方が我慢するほど音量を上げているのであれば、それも一つのサインです。
本人の感覚だけではなく、客観的に現在の状態を確認することが大切だと考えています。
補聴器をつければ語音明瞭度は回復するのか
ここは誤解してほしくないところです。
補聴器をつければ、低下した語音明瞭度そのものが元通りになる、というものではありません。
聞き分けに迷っていた音が明確になることで、補聴器を通した実際の会話では、検査結果から想像する以上に楽になる方はいます。
また文章であれば、前後の言葉から意味を推測できるため、実際の生活では単音節の検査結果以上に会話しやすくなる場合もあります。
しかし、基本的な考え方は、
失ったものを高性能な補聴器で買い戻すのではなく、今ある聞き取り能力をできるだけ生かすこと。
私はここが重要だと考えています。
もっと早く補聴器を考えていれば、違ったのではないか
90歳前後になって初めて補聴器を本格的に使い始め、すでに言葉の聞き取りが大きく低下している方を見ると、
「もう少し早い段階で相談に来ていただけていたら」
と思うことがあります。
70代、80代のまだ言葉の聞き取りが保たれている段階で、加齢による聞こえの変化を受け止め、必要であれば両耳で補聴器を使い始める。
そうすれば、最高クラスの機種に予算を集中させなくても、比較的抑えた価格帯で日常会話を楽にできる方もいます。
一方、聞き取りが大きく低下してから初めて補聴器を使う場合には、新しい音に慣れるための努力も必要になります。
本人の中には「以前は普通に聞こえていた」という記憶が残っています。
その状態へ機械で戻そうとして出力を上げれば、「響く」「うるさい」「不自然」となる。
しかし音を弱くすれば、今度は必要な言葉のヒントが足りない。
このジレンマが起こります。
だから私は、
「本当に困ったら補聴器を考える」では、遅い場合がある
と考えています。
もし今、80%・90%聞き分けられるなら、それは大切な力です
補聴器を探している方は、
「どのメーカーがいい?」「50万円と80万円では何が違う?」「AI搭載なら聞き取れる?」
と、どうしても機械を調べます。
しかし、その前に知ってほしいことがあります。
あなた自身には、今どれくらい言葉を聞き分ける力がありますか?
80%、90%あるなら、それは非常に大切な力です。
補聴器店で100万円を払っても、その能力そのものを買うことはできません。
一方、語音明瞭度が大きく低下してから、「一番高い補聴器をください」と言われても、できることには限界があります。
だから私は、
「本当に困ったら補聴器を考える」ではなく、「少し聞こえにくくなった段階で、自分の現在地を知る」
という考え方を持っていただきたいと思っています。

補聴器を選ぶ前に、自分の「聞き取る力」を確認しませんか
「高性能な補聴器なら、もっと聞き取れるのではないか」
そう考えてメーカーや価格を比較する前に、まず現在の聴力と言葉を聞き分ける力を確認することが大切です。
当店の初回相談では、聴力だけでなく、語音明瞭度や左右差、普段困っている場面などを確認したうえで、
どこまで改善が期待できるのか。
どこからは補聴器だけでは難しいのか。
そのために、どのような機能が必要なのか。
を一緒に整理します。
そして、
補聴器を購入すること自体が、その方にとって適切なのか
というところから考えます。
補聴器の購入を決めるためではなく、
30万円、50万円、100万円という買い物をする前に、自分には何が必要なのかを知るための相談
と考えていただければと思います。
初回相談は60〜90分・5,000円、完全予約制です。
高い補聴器を探すことより、まず自分の現在地を知ること。
そして、
必要な性能 → 候補となる補聴器 → 価格

の順番で考えること。
私は、それが補聴器選びで後悔しないための最初の一歩だと考えています。
参考文献
- Dillon H. Hearing Aids. 2nd ed. Thieme; 2012.
補聴器の増幅、指向性マイク、デジタル信号処理など、補聴器フィッティングと関連技術を体系的に扱った専門書。 - Gelfand SA, Calandruccio L. Essentials of Audiology. 5th ed. Thieme; 2023.
聴力評価、語音・音声知覚、補聴器、人工内耳など、聴覚学と聴覚リハビリテーションを体系的に扱った専門書。 - 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会. 成人人工内耳適応基準(2017年版).
成人の人工内耳について、聴力レベル、適切な補聴器装用下での最高語音明瞭度などを含む適応基準を示している。
本記事をお読みいただく際の注意点
※本文中の70%、50〜60%、40%前後、20%前後という区分は、語音明瞭度だけで補聴器の効果を断定する基準ではありません。当店での相談経験を踏まえた説明上の目安です。実際には聴力、左右差、どの音圧で最高語音明瞭度が得られるか、聞き間違いの内容、生活環境などを含めて判断します。
※補聴器を検討する前には、まず耳鼻咽喉科を受診し、難聴の原因や治療の必要性がないかを確認することが基本です。
※人工内耳の適応は語音明瞭度だけでは決まりません。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の成人人工内耳適応基準では、聴力レベルと適切な補聴器装用下での聞き取りなどを含めた条件が示されています。人工内耳が適応になるかどうかは、人工内耳を扱う医療機関・専門外来で医師が医学的に判断します。




