当店の違いは、実測×応用力。
その中身は、この3つの手順です。
- 1測る耳の中に届いている音を実測する
- 2読み解く数値が何を意味するかを判断する
- 3解決するその人に合わせた答えを出す
補聴器の性能を生かせるかどうかは、
ここで決まる。
補聴器の性能だけでは、聞こえは決まらない
「高い補聴器を買えば、よく聞こえるようになる」。そう考えるのは自然なことです。
ただ、現場で見てきた答えは少し違います。同じ補聴器でも、耳栓の形、調整の方法、担当者の判断によって、聞こえの結果は大きく変わる。補聴器は、買った瞬間に完成する道具ではありません。
メーカー時代と独立後で、考え方がどう変わったか
代表の中村は、補聴器メーカーに12年勤めたあと、2012年に独立しました。メーカーの理論と、独立後に一人ひとりのお客様と向き合ってきた調整の経験。その両方を持っていることが、当店の判断の土台です。
メーカー時代
新しい製品や処方式が出るたびに、それを正しいものとして受け入れていた。再現性が高く、多くの人に当てはめやすい方法を広めるのが仕事だった。
独立後の今
同じ聴力でも、楽に感じる設定は人によって違う。調整ソフトの予測値と、耳の中で実際に出ている音がずれることもある。だから、測って、確かめて、判断する。
中村の持論
補聴器選びに、メーカーの都合を持ち込まない。
メーカーにいたからこそ、各社の得意なところも、そうでないところも分かります。当店では複数のメーカーを取り扱い、特定のメーカーに偏らず、その方の耳と暮らしに合う補聴器を選んでいます。
中村 雅仁The補聴器専門店 中村 代表
- 認定補聴器技能者
- 認定補聴器専門店
- 補聴器メーカー勤務12年
- 2012年に独立/補聴器業界25年
- 著書『間違いだらけの補聴器選び』
当店が大切にしている5つの工程
補聴器の効果を引き出すために、当店では次の5つの工程を順番に進めます。どれか一つが欠けても、補聴器の性能は生かしきれません。
-
まず、補聴器で何ができるかを見極める
聴力だけでなく、言葉をどれだけ聞き分けられるか(語音明瞭度)も確認します。補聴器で改善が期待できる部分と、難しい部分を最初に整理するためです。
なぜ:言葉の聞き分けの力が、補聴器で届く効果の上限になるから
-
できること、難しいことを最初に共有する
どんな場面で困っているのか、どんな聞こえを望んでいるのかを伺い、現実的な目標を一緒に決めます。期待だけをふくらませるような説明はしません。
なぜ:目標がずれたままだと、どれだけ調整しても「合わない」が続くから
-
耳栓と装着状態から、音の土台を整える
耳の形、装着の状態、耳栓の開き具合や密閉の度合いによって、同じ補聴器でも聞こえ方は変わります。オーダーメイドの耳栓だけが正解ではなく、その方の耳と補聴器に合ったものを選びます。
なぜ:土台がずれていると、調整で音を足しても届かないから

非接触で耳の形を測る3Dスキャナー 
耳の穴の形は、一人ひとり、左右でも違う -
調整画面を過信せず、耳の中の音を測る
調整ソフトに表示されるのは、平均的な耳を前提にした予測値です。実際の耳の中の音とは、必ずしも一致しません。当店では実耳測定で、必要な音が届いているか、余分な音が出ていないかを確かめます。
実耳測定は、補聴器の納品時(その方の状態によってタイミングをずらすこともあります)や、補聴器再生コースで行っています。
なぜ:大事なのは測ることではなく、その結果をどう判断して調整に生かすかだから
-
数値と日常生活の両方で、効果を確かめる
実耳測定、装用閾値、語音明瞭度。こうした数値だけで決めず、ご本人が暮らしの中でどう感じているかも同じくらい大切にします。客観的な測定と、ご本人の実感。その両方がそろって、はじめて「合った」と言えます。
なぜ:数値が良くても、使う本人が楽でなければ意味がないから

④の実例とデータはこちら
調整画面では小さな声を上げたのに、耳の中では十分に上がっていなかった例。出力を下げたことで楽になった例。実際の測定データとあわせて紹介しています。
補聴器を何度調整しても合わない──それは「測っていない」からかもしれません中村式3段階フィッティング
5つの工程のうち、調整の進め方を当店では「中村式3段階フィッティング」と呼んでいます。
- メーカーごとの条件をそろえて比較試聴し、公平に聞き比べる
- 実耳測定で、耳の中に届いている音を確かめる
- 暮らしの中での感想をもとに、最小限の出力で聞き取りが最大になるよう仕上げる
海外の考え方
英国や米国の聴覚の専門団体は、実耳測定によって補聴器の出力を確かめ、調整することを推奨しています。詳しい資料は、上の実耳測定の記事で紹介しています。
当店が大切にしている、3つの判断
補聴器の相談では、販売する側に都合のいい答えが、お客様にとっての正解とは限りません。実際の接客と調整の中で、当店が守っている判断を3つお伝えします。
判断 1
必要がなければ、高額な機種を勧めない

目標とする聞こえに届くなら、必要以上に上のグレードを選ぶ必要はありません。
実際にあったこと
Opn 2(オープン ツー)IICをお使いだった60代の方。当店の再生コースで今の補聴器を実耳測定で調整し直したところ、それだけで聞こえは大きく改善しました。そのうえで買い替えのご希望があり、最上位のOwn SI(オウン エスアイ)1も検討しています。
ただ、IICはマイクが一つの構成で、上位機種の強みである複数のマイクを使った処理が生かせません。生活環境と上位グレードで増える機能を見極め、Own SI 2 IICを選びました。
この事例を詳しく読む(症例②)判断 2
音を上げることだけを正解にしない

聞き取りの改善には、音を足すことが必要な場合もあれば、下げることが適切な場合もあります。実耳測定の結果とご本人の感想、その両方から決めます。
実際にあったこと
他店で何度も効果測定や調整を受けていた方。耳鳴りの影響もあり、音を大きくすると苦痛を感じておられました。実耳測定で実際の出力を確かめ、必要以上に大きくなっていた音を下げたところ「前より楽になった」と。テーブルマイクも併用して、「うるさくなくなったのに、前より聞き取りやすい」と言っていただけました。
この事例を詳しく読む判断 3
難しいことを、できるとは言わない


言葉の聞き分けの力や補聴器の性能には、調整だけでは越えられない限界があります。そこは最初に正直にお伝えします。
実際にあったこと
両耳にオーダーメイドの補聴器をお使いの医師の方。言葉の聞き分けの力(語音明瞭度)は、良い方の耳が約70%、反対側は30%弱でした。補聴器だけで両耳の聞き取りを十分に取り戻すのは難しい。そのことをお伝えしたうえで、良い方の耳を中心に調整し、リモートマイクを組み合わせる方針にしています。
診察ではテーブルに、講演会では主催者に事情を話して適切な位置に、懇親会では聞こえにくい側を補える場所に。マイクの置き方まで場面ごとに決めました。すべての会話が聞けるようになったわけではありませんが、周りからの声を、雑音を抑えながら聞き取りやすくできています。
この事例を詳しく読む3つに共通すること
- 高額な製品が必要とは限らない
- 音量を上げることが正解とは限らない
- 補聴器で改善できる範囲には限界がある
どれも机の上の理論ではなく、実際の接客と調整で積み重ねてきた判断です。
購入して終わりではない、補聴器との長い付き合い
補聴器は、購入した瞬間に完成するものではありません。暮らしの変化、聞こえの変化、機器の状態を見ながら、長く付き合っていく道具です。

お渡しから約2週間後
1回目の調整。音量、音質、着け心地、実際の生活でのお困りごとを確かめます。
1回目から3〜4週間後
2回目の調整。
2回目から約1か月後
3回目の調整。個人差はありますが、多くの方はこの3回ほどで落ち着きます。
その後は3〜6か月ごと
年2〜3回ほどの定期点検をおすすめしています。1回30分ほどで、その方のこれまでの経過をもとに、優先すべきところを重点的に確かめます。
定期点検では、次のようなことを行います。
- 補聴器本体のクリーニングと、専用機器による乾燥
- 補聴器に付いた耳垢の除去や、耳垢ガードの交換
- 専用の機器による補聴器の性能確認
- 装用の状態の確認
- 聴力の変化に合わせた再調整
※耳の中の耳垢の除去は医療行為にあたるため、当店では行っていません。

修理の際は、在庫や補聴器の形、聴力によっては、修理の間に代わりの補聴器をご用意できる場合があります。メーカーの修理受付の終了が近づいたときには、こちらからご案内しています。
初回相談で大切にしていること

初回相談を有料にして時間を確保しているのは、補聴器を売るためだけの時間にしないためです。
今の聞こえの状態、困っている場面、これまでの補聴器の経緯。それを一つずつ整理して、改善できる可能性がどこにあるのかを見極める。そのために必要な時間をいただいています。
もちろん、すべての方の聞こえが改善するとお約束はできません。ただ、何ができて、何が難しいのか。その答えは、はっきりお伝えします。
他店でご購入の補聴器についてのご相談も承っています。
インタビュー|The補聴器専門店 中村と他店との違い
ご注意ください
動画の中の初回相談料
3,000円→現在は5,000円
2026年8月に料金を改定しています。最新の料金は、このページの「初回相談で大切にしていること」をご確認ください。
当店に来られる方から「この動画がきっかけ」と言っていただくことの多いインタビューです。聞こえにくい方にも分かるよう、字幕を付けています。
まとめ|最小限の出力で、最大限の聞き取り向上を。
当店の調整方針
最小限の出力で、
最大限の聞き取り向上を。
必要な音は、きちんと届ける。けれど、ただ大きくすればいいわけではない。
数値を測り、その意味を読み解き、お客様の暮らしに合わせて調整する。その積み重ねが、当店の補聴器選びと調整の基本です。







