耳穴型補聴器

●初心者のための補聴器Q&A:汗かきの方のためのお勧め補聴器は?

【ご質問内容】

軽い難聴です。すごい汗かきであり、メガネも使用しています。

先日、とある販売店で、補聴器を勧められました。

メーカーA社の耳かけタイプで両耳価格●●万円。ナノコーティングしてるから、汗に強いとアピールされていました。

話変わって、私(=質問者)のお友達の事例から。

友人は百貨店で「耳かけタイプは汗に弱いので耳穴式でないと難しいですよ」、といわれB社の両耳価格●●万円近くで購入したようです。(前述のA社の補聴器の約3倍の金額)。

前述のメーカー、A社の補聴器は最新のRICタイプはIP67という事。

いずれの時の為にお尋ねしますが、汗に強いのはどちらの補聴器でしょうか?

【大阪市天王寺区補聴器相談室より回答します。】

A様

初めまして。本のご購読並びにご質問ありがとうございます。

下記、回答させて頂きます。

先ず、ご質問の趣旨に基づき、要点を整理させて頂きます。

●汗対策として、IP67と耳穴型ではどちらが汗に強いか?

汗が多い方には、通常、「耳穴型」をお勧めします。
理由は、耳穴の中では汗をかくことが無いため。

●次にお勧めするのは?

「見た目を気にせず、汗に強い補聴器であれば良い」となった場合には、「防水型耳かけ型補聴器」をお勧めします。
例、シーメンス補聴器「アクアリス」、フォナック「ナイーダ」シリーズもしくは「防水仕様」の耳かけ型補聴器。

●IP67の防水性は?

当方の見解では、IP67だから安心ではなく、

➡補聴器の仕様が「防水仕様」になっているか、否かを重要視します。
防水仕様とは、外部に余分なスイッチやボタンを着けず、電池室に特殊加工があるか?補聴器調整用の端子が奥の内部に隠れているか?などを見ます。
IP67の補聴器であっても、客観的にみて補聴器の仕様そのものが「防水仕様」ではなく、判定結果だけをみてIP67の基準であった、となる補聴器もございます。

●A販売店とB百貨店の比較

表面的な金額ではなく、調整の結果である「補聴効果」を客観的に示し、調整の過程を明示してもらえるか?が重要であると考えます。

本にも書きましたが、「補聴器代金」=「機械本体」+「調整料」ですので、この辺りに注目して決定して下さい。
注意点➡安く購入しても、他店では調整できない機種もございます。

●お勧め
「補聴器効果測定」は業界では常識ですが、実際のところ、現場では、まだまだ実施していないお店も多々あります。
補聴器を選ぶ際には、先ずは最低レベルの知識、情報をもった認定補聴器技能者在籍店で、ご相談されるのが宜しいかと思います。
加えて知識があるだけでなく、実際の現場で「効果測定」を行っているか否かをみられると宜しいかと思います。

A様の今後の補聴器選びの参考になりましたら幸いです。